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日本代表 5年前

アジアカップで証明された実力格差の縮小。日本代表が勝ち続けるために必要なこと

日本代表は13日、アジアカップのグループリーグ第2戦で2連勝をかけてオマーン代表と対戦する。格下の相手と見られたトルクメニスタン代表に苦戦するなど、不安が叫ばれる中で迎える一戦。全体を見渡しても番狂わせが多くあるなど波乱含みの大会で、勝ち続けるために必要なこととは。(取材・文:舩木渉【UAE】)

text by 舩木渉 photo by Getty Images

「我々は日本のすべてを知っている」

日本代表
日本代表は13日にアジアカップのグループリーグ第2戦・オマーン戦に臨む【写真:Getty Images】

 日本代表の森保一監督は、12日に行われた記者会見で「準備」という言葉を繰り返し口にした。

 例えば「まずは一戦一戦、試合に向けてチームとして最善の『準備』をしていくこと、基本的なことはこれまでと変わらないので、第1戦が終わってからオマーン戦までの間、我々がやれる最善の『準備』をできたと思っていいます」といったような感じである。

 この「準備」の面でアジアのレベルが上がっていることを、今大会を見てきてひしひしと感じる。グループリーグ初戦で日本代表と対戦したトルクメニスタン代表を見てもわかる通り、相手をしっかりと分析して見つけ出した対策をピッチ上のプレーに落とし込んで、プランを確実に遂行できるチームが増えている。

 日本代表は13日にオマーン代表と激突するが、オランダ人のピム・ファーベーク監督率いるチームも「準備」に余念はない。11日の日本の練習に“スパイ”を派遣した疑惑が浮上するほど。かつてJリーグでも指導した経験を持つ熟練監督は「我々は日本をリスペクトするが、恐れるものは何もない」と打倒・日本に燃えていた。

 オマーンはトルクメニスタンよりも戦力値では上。さらに組織としても中東のステレオタイプなイメージのサッカーではなく、しっかりとパスをつなぎ、サイドのスピードなどを生かした攻撃的なスタイルを身上とする。

 2018年のオマーン代表は、今大会直前にオーストラリア代表と練習試合をして0-5の大敗を喫するまで無敗のチームだった。ファーベーク監督は、教え子たちがこの2年間で勝利を積み重ねるに連れて自信を深めてきたことも強調している。

 おそらく日本にも果敢に挑んでくるだろう。オマーン代表はウズベキスタン代表に1-2で敗れてグループリーグ初戦を落としており、決勝トーナメント進出のために是が非でも勝ち点を持って帰りたいはず。もし日本を破る、あるいは苦しめることができれれば、今後に向けた大きな自信にもつながる。

「我々は日本のすべてを知っているんだ。今は2019年。我々はすべての情報を持っている」

 そう豪語するファーベーク監督は、徹底的に練り上げた日本対策プランをチームに託したに違いない。2連勝でグループリーグ突破を決めたい日本にとって、前節以上の厳しい戦いが予想される。

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