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日本代表 5年前

アジアカップ、見事な“塩試合”も…W杯から進歩なく、むしろ後退。相手がベルギーなら…【西部の目】

日本代表は21日、AFCアジアカップ2019・決勝トーナメント1回戦でサウジアラビアと対戦し、1-0で勝利した。互いの現状を踏まえた上で日本は正しい選択をして戦ったと言える。しかし、ロシアワールドカップからの進歩という点では課題の残る内容だった。(取材・文:西部謙司【UAE】)

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

会心のゲームに見る内容の乏しさ

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日本代表はサウジアラビアに勝利した【写真:田中伸弥】

 今大会の日本がサウジアラビアに勝つために、最も合理的な試合をした。

 日本の弱点は、相手に引かれたときの攻撃だ。アタッカーにスピードがあるのでカウンターアタックは有効。相手のポゼッションに対する守備は安定しているが、カウンターに対してはやや不安がある。

こうした現状からすると、相手にボールを持たせてカウンターを狙うのが理にかなった戦い方である。サウジアラビアは逆にボールを持ちたいチームで、カウンター耐性はかなり弱い。対戦相手からいっても、これ以外ないというほど戦略的に正しい。

 後半に引きすぎたこと、カウンターで2点目をとれなかったこと、ボールをキープしてペースダウンを図れなかったことが反省点だが、今大会の勝ちパターンにはめて勝ったという意味では会心のゲームといってもいいかもしれない。一方で、ロシアワールドカップからの進歩はみられず。ポゼッション攻撃に威力がなくなったぶん、後退といえるかもしれない。

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