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日本代表 5年前

アジアカップ、見事な“塩試合”も…W杯から進歩なく、むしろ後退。相手がベルギーなら…【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Shinya Tanaka , Getty Images

ペースを変えられず、カウンターからの加点もなし

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ペースを変えようとした南野拓実【写真:Getty Images】

 得点にはならなかったが、日本のカウンターアタックは鋭く、躊躇なく攻めきる姿勢がみえた。チャンスのときにはチャンスらしいプレーを選択していた。相手にボールを持たせる前提のゲームなので、最短でゴールを目指すプレーは正しい。こういう試合でモノをいうことの多いセットプレーから点をとれたのも大きかった。

 ただ、後半に関してはもう少しキープしてゲームをスローダウンさせ、いったん相手陣内へ押し込む展開が必要だった。サウジアラビアの守備が手薄なためにカウンターで追加点を狙えそうな状況がほとんどだったのだが、それならば追加点をとらなくてはいけない。ゴール前での判断が悪くてとりきれなかったのは反省点として残る。しかし、それ以上にペースを変えられないのはベルギー戦から進歩がないということ。

 後半22分、南野がカウンターよりもキープを選択してペースを変えにかかったとき、吉田がすぐに縦へのロングパスを選択して相手ボールにしてしまった。せっかく1人がサインを送ってもチームとして共有できていなかった。

 今大会を勝ち上がるためには大正解の試合だったが、ロシアワールドカップからの進歩は感じられない内容でもあった。

(取材・文:西部謙司【UAE】)

【了】

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