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日本代表 5年前

アジアカップ準々決勝、攻撃陣総入れ替えも? 大迫勇也復帰で見せたいゴールへの形

text by 元川悦子 photo by Getty Images

大迫勇也がチームにもたらすもの

 絶対的1トップと位置付けられる男は9日の初戦・トルクメニスタン戦(アブダビ)で昨年末から痛めていた同箇所のトラブルを再発させ、ずっと別メニューが続いていたが、サウジアラビア戦前には全体練習に合流。22日はフルメニューをこなし、ミニゲームでは強烈シュートを何本も打っていた。本人はケガの回復具合について何も語っていないが、公式戦復帰は問題ない様子。エースFWが満を持してピッチに立つことは、森保ジャパンにとって大きな朗報と言っていい。

 伊東・北川・乾という2列目の組み合わせはウズベキスタン戦1試合を消化しているが、この時は追加招集の武藤が1トップに入ったことから、伊東や北川との連係面でギクシャクした部分が垣間見えた。けれども、大迫であれば昨年10~11月の代表シリーズで伊東・北川の2人と組んでいるし、乾とは2018年ロシアワールドカップを通してお互いの特長を熟知し合っている間柄だ。

 特に乾に関しては、ウズベキスタン戦では初めて一緒に試合に出るメンバーが周囲を取り囲んでいたこともあって、彼自身のよさを思うように出せずに苦しんでいたが、最前線に大迫が陣取っていれば、思い切ってゴール前へドリブルで切れ込んだり、シュートを放ったりもできる。サイドで幅を取りながら相手を引き付け、中央に陣取る大迫にラストパスを送るような仕事も増やせるだろう。それは大迫自身の決定機にもつながる。そういった相乗効果が大いに期待できるのだ。

 今大会の日本の4試合終了時点での総得点は7。内訳は大迫が2、堂安と武藤、原口元気(ハノーファー)、塩谷司(アルアイン)と冨安がそれぞれ1点ずつで、アタッカー陣が爆発しているとは言いきれないのが実情だ。サウジアラビア戦以外は決定機を作っているのに決めきれず得点数を伸ばせなかった印象が強い。

 もちろんアジアカップのような短期決戦で勝ち上がるには、サウジアラビア戦で見せた冨安の先制弾のようなリスタートからの一撃も必要不可欠だが、やはりFW陣が目に見える数字を残してこそチームは盛り上がる。

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