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日本代表 5年前

「優勝以外は失敗」。柴崎岳が達したい“あの領域”。アジアカップで示すべき苦境での振舞い

text by 元川悦子 photo by Getty Images

森保監督も一目置く

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長きに渡って日本代表を支えた長谷部誠【写真:Getty Images】

 岡田武史監督(現FC今治代表)時代の2008年から10年間もボランチの軸を担い続けてきた長谷部誠(フランクフルト)が2018年ロシアワールドカップを機に代表から去り、その後のボランチは混とんとした状態になっている。今大会のグループリーグ3試合で組み合わせを全て入れ替えたほど森保監督も試行錯誤を繰り返している。

 ただ、ロシアでレギュラーとして全4試合を戦った柴崎に対しての信頼はやはり絶大だ。「彼には私がサンフレッチェ広島の監督をしていた時から決定的な仕事をされていた」とも話したことがあるくらい一目置いていた。

 柴崎本人も自身の存在感が高まっているのを自覚しているのだろう。23日にはA代表入りして初めて公式大会の試合前日会見に登壇。「今回は長谷部さんだけでなくて、経験のある選手が現場を去ったり、大会に選ばれていなかったりして、経験の浅い選手が起用されていることからも、代表が次のステップに進まなければいけないと自負しています。その中で僕はベテランにも若手には属さない選手。世代間をつなげる立ち位置にいる。4年後のワールドカップを見据えた中、個人的には代表に関わり、監督から信頼されるプレーヤーにならないといけないと感じています」と神妙な面持ちでコメントした。

 その言葉を胸に刻み付けて、ベトナム戦では攻守両面のタクトを振るい、チームを勝たせる方向へと導くこと。それができれば、新生ジャパンはまた一歩大きな前進を遂げるはずだ。

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