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日本代表 5年前

「優勝以外は失敗」。柴崎岳が達したい“あの領域”。アジアカップで示すべき苦境での振舞い

text by 元川悦子 photo by Getty Images

日本をけん引すべき柴崎岳

 2002年日韓ワールドカップで韓国を4強へ導いたフース・ヒディング監督の右腕として働いていたパク・ハンソ監督率いる今回のベトナムが5-4-1の守備的布陣を採り、粘り強い守備からサイドを広く使ってカウンターを仕掛けてくる泥臭い集団なのは確かだが、日本が致命的なミスを犯さなければ次のステージに進めるはずだ。

 そのけん引役にならなければいけないのが、ボランチの大黒柱・柴崎岳(ヘタフェ)だろう。今大会の日本はご存知の通り、開幕前に守田英正(川崎F)が負傷離脱し、青山敏弘(広島)も右ひざのケガ再発でサウジアラビア戦後にチームを離れるなど、ボランチに度重なるアクシデントが起きている。

 17日のウズベキスタン戦(アルアイン)でスーパーゴールなど際立った働きを見せた追加招集の塩谷司(アルアイン)が計算できる戦力に加わったのは好材料だが、彼は柴崎、遠藤航(シントトロイデン)と実戦でまだコンビを組んだことがない。

「(塩谷選手は)どちらかというと守備的な選手。僕もどっちかというと守備的。最近は攻撃に関わっていくところも意識していますけど」と遠藤が語ったように、塩谷・遠藤の組み合わせだと攻撃力がやや低下する恐れも否定できない。中盤で攻めのリズムを作ってパスを散らすような役割を託せるのは目下、柴崎しかいないのだ。

 特にベトナム戦は日本がボールを支配する時間が長くなると見られるだけに、背番号7により多くのゲームコントロール力が求められてくる。本人にもそれを理解したうえで、塩谷と遠藤のいずれとコンビを組むにしても、ピッチ上で圧倒的リーダーシップを示すべきなのだ。

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