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アジアカップ準決勝は最強イラン。過去の戦績・相性は? 激闘の歴史、爆発的攻撃力は脅威

text by 編集部 photo by Getty Images

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イラン代表【写真:Getty Images】

【日本 1-0 ベトナム AFCアジアカップ2019・準々決勝】

 日本代表は24日、AFCアジアカップ2019・準々決勝でベトナム代表と対戦し1-0と勝利した。

 この日はVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が2度、用いられた。1度目は吉田麻也のゴールが取り消しとなったが、2度目は日本がPKをゲット。倒された堂安律が自らネットを揺らし、これが決勝点となった。ベトナム戦も1点差で乗り切り、準決勝へと駒を進めた日本。ファイナル進出をかけて戦う相手は、アジア最強と言われるイラン代表だ。

 イランとは過去に16回対戦し、日本の5勝5分6敗。常に拮抗したバトルが繰り広げられ、2000年代以降は1勝2分1敗の五分となっている。

 このカードで印象深いのは、1997年11月16日と2005年3月25日のゲームか。特に前者は日本サッカーの歴史に永遠に刻まれる記念すべき日だ。当時まだワールドカップ出場経験のなかった日本代表は、フランス大会を目指していた。アジア最終予選B組に入った岡田ジャパンは韓国代表に次ぐ2位で日程を終えた。そしてA組2位・イランとのアジア第3代表決定戦へ回ることに。

 中山雅史のゴールで前半のうちに先制するも、後半開始直後に同点とされる。その後逆転を許して窮地に追い込まれてしまう。しかし、日本は途中出場の城彰二がヘディングシュートを決め、試合は2-2で延長戦に突入。そして延長後半終盤に岡野雅行が劇的なゴールデンゴールを決め、悲願のワールドカップ初出場を果たした。試合が行われた地名にちなんで『ジョホールバルの歓喜』と呼ばれる。

 2005年3月のゲームは日本にとって完全アウェイだった。ドイツワールドカップ・アジア最終予選で激突。10万人の男性でスタンドが埋め尽くされる中、日本は中田英寿、中村俊輔、小野伸二ら海外組を擁したが、1-2と敗北を喫した。

 今大会のイランは頭一つ抜けている。5試合を終えて12得点0失点、準々決勝でも中国代表を3-0と一蹴した。エースのサルダル・アズムンを筆頭とした攻撃陣の爆発はもちろん、守備でも大きな穴を見せることなくまさに順調な勝ち上がりだ。残してきた数字を見ても、頂点奪取へ視界はすこぶる良好と言える。

 対して森保ジャパンはここまで全て1点差で勝利を収めてきた。苦しみながら結果を手にしていることは自信になっているはずだが、攻撃は大迫勇也に頼りがち。ベトナム戦で短時間ながらプレーしており、イラン戦は万全の状態でピッチに立ってもらいたい。守備でも安定感を見せる場面はあるが、綻びがないわけではない。

 ここまでの戦いぶりを勝負強いと表現することはできる。しかし、イランの実力は日本の過去5戦の相手とは次元が異なる。優勝候補筆頭チームを日本は乗り越えられるか。この準決勝こそ森保ジャパンにとっての大一番になる。

【了】

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