未だ消息不明のサラ、恩師・ハリルに伝えた感謝の意。誰からも好かれ、愛された男の実像

2019年01月28日(Mon)12時10分配信

text by 小川由紀子 photo Getty Images
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誰からも好かれていたサラ

 土曜にカーディフでメディカルチェックとサインを完了したサラは、ナントの仲間たちに最後にきちんと挨拶がしたいと、いったんナントに戻ることを希望した。

 そして月曜、練習場を訪れ、チームメイトやハリルホジッチ監督、スタッフ、事務所の職員らみんなと挨拶を交わした。

 謙虚でかわいげのあるサラは、誰からも好かれていた。サッカーにはとことん真面目で練習の鬼。「どこか体がおかしくなるまで練習をやめないほどストイックで、周りの選手はみな彼に影響を受けた」と前にインタビューでかつての指導者も話している。

 試合になると戦闘力むき出しになる。常に全力を尽くすのは母親譲りで、「ものすごく負けず嫌いなところは扱いにくいタイプ」と自ら分析している。

 サラは3年半を過ごしたナントでの契約延長を望んでいたというが、プレミアリーグでの挑戦にも意欲的で、入団後の初試合となる29日のアーセナル戦を楽しみにしていたという。

 1990年、アルゼンチンのサンタフェ郊外で生まれたサラは、20歳でフランスに渡りボルドーと契約。その後、2部や3部のクラブでの下積み時代を経て2015年夏にナントと契約、4シーズン目の今季はそれまで年間であげていた得点数を前半戦だけでマークし、28歳にしてキャリアの絶頂期にあったのだ。

 ナントは木曜に練習を再開した。報道陣のマイクの前に立ったハリルホジッチ監督は、「あまりにショックで言葉もない…彼は誰にでも愛される、本当にかわいい青年だった…優しく、ピッチの上では戦士だった」と、涙で言葉を詰まらせながら、ひとこと、ひとこと、絞り出すように話した。

 ハリルホジッチ監督が着任した10月当時、サラはメンタル的に少し落ち気味だったというが、サラはハリル監督にアドバイスを求め、監督もそれに応じて、何度も深い会話を持ったという。その成果をサラはピッチ上で発揮し、ハリル監督着任後、ゴール数は倍加した。

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