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ユベントス、最悪の90分はなぜ起こった? アトレティコに消された、ロナウドではない人物

チャンピオンズリーグ・決勝トーナメント1回戦、アトレティコ・マドリー対ユベントスの一戦が現地時間20日に行われ2-0でホームチームが勝利している。結果だけでなく、内容面でも完敗を喫したユベントスは、悲願のCL制覇への道がかなり難しくなったと言えるだろう。彼らにとって最悪の90分間はなぜ起こってしまったのだろうか。(文:小澤祐作)

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ユベントスのCL制覇への熱き想い

ユベントス
ユベントスはアウェイでアトレティコに0-2で敗れた【写真:Getty Images】

 ユベントスが今最も欲しいタイトルは間違いなくチャンピオンズリーグ(CL)である。過去5シーズンの間、2度もファイナルの舞台で涙を呑んでおり、「次こそ」という思いはあるはず。それはサポーターのみならず、選手、監督とユベントスに関わるすべての人が抱いているものだろう。

 そんな同クラブのCL制覇に対する思いは、今季開幕前からすでに伝わっていた。ユベントスは昨年夏、レアル・マドリーでCL3連覇を果たした世界最高のフットボーラーであるクリスティアーノ・ロナウドをチームに加えたのだ。

 CLで通算121ゴール(ユベントスでの成績は除く)を挙げていたこの「CL男」を獲得したことにより、ユベントスは本格的にビッグイヤー奪取を視野に入れ始めた。さらにレオナルド・ボヌッチやジョアン・カンセロ、エムレ・ジャンら実力者を多数補強。戦力的にはCL制覇は近づいたようにも思えた。

 ユベントスは現在、リーグ戦で無敗を継続中ともはや国内に敵はいない。2位ナポリはここ最近低調が続いており、勝ち点の取りこぼしが目立った。気づけば両者の勝ち点差は13にまで広がっており、問題なければこのままユベントスが頂点に立つだろう。

 こうした状況はユベントスにとって良いものと言える。より一層CLに集中できるからだ。また、コッパ・イタリアでの早期敗退は予想外だったが、これも「CLに焦点を当てるためならば」とポジティブに捉えることもできるだろう。

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