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日本代表 5年前

香川真司は「控え組のリーダー」に甘んじるのか? クラブでもいまだ信頼薄く…30代は前途多難

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

森保一監督が時間を与える保証は…

 確かに、彼が主力に定着した2010年南アフリカワールドカップ以降は長谷部や遠藤保仁が後ろから確実にフォローしてくれ、本田や大迫勇也もタメを作って香川を前向きな状態でプレーさせてくれたから、ゴール前で脅威になれた。

 しかし、自分が年長になった今は周りの若い力を生かしながら自身の生きる道を見つけなければいけなくなった。だが、残念ながら、今回の3月2連戦のわずかな時間で具体的な解決策は見出せたとは言い切れない。

「翔哉や律の仕掛ける姿勢はチームの武器になっているし、それはこの半年間で積み上げたもの。そのストロングにうまく違うものを付け足していきたい。今回は結果として生まれなかったですけど、継続してやり続けるしかない」と本人は長い目で取り組んでいくべきだと考えていたが、選手起用の序列がハッキリしている森保監督がそこまで多くの時間を香川に与える保証はないだろう。

 背番号10としてはこの先、中島、南野、堂安との連係を深めていきたいところだろうが、今回の2試合で堂安、南野と組んだ時間はほんのわずか。中島とはコロンビア戦で25分ほど共演時間が与えられたものの、コンビを確立するまでには至らなかった。

 今後、指揮官が中島ら3枚をユニットで起用するケースがさらに増えると見られるだけに、香川にとっては本当に厳しい環境だ。南野の対抗馬となるトップ下の最適な人材が見つからないため、しばらくは招集され続ける可能性はあるものの、このままだと「控え組のリーダー」という位置づけに甘んじてしまいかねない。国際Aマッチ97試合出場31ゴールという圧巻の実績を誇る30代アタッカーがそのポジションにとどまっていていいはずがない。

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