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日本代表 5年前

香川真司は「控え組のリーダー」に甘んじるのか? クラブでもいまだ信頼薄く…30代は前途多難

text by 元川悦子 photo by Getty Images,Shinya Tanaka

指揮官は辛辣評価。クラブでも信頼は薄く…

香川真司
ベシクタシュでも目覚ましい結果を残したいところだ【写真:Getty Images】

 こうした苦境を打開するためにも、自身のパフォーマンスを絶好調時に近づけることがまずは重要になってくる。ベシクタシュでは今季終盤8試合が残されていて、その全てにフル出場できれば、6月のコパ・アメリカに向けても好材料だろう。

 けれども、シェノール・ギュネシュ監督にとってトップ下のファーストチョイスは依然としてセルビア人MFアデム・リャイッチであり、香川に対しては「体力面で問題を抱えている」と指摘する。

 3月16日のギョステペ戦では待望の2人の共演が実現したが、トルコの名将は「攻撃面であまり効果がなかった」と厳しい評価を下している様子だ。となると、リーグ終盤戦も2人はポジション争いをする可能性が高く、香川のプレー時間が増えるとは限らない。

「今回の代表2試合で感じた課題をしっかりと整理して、トルコでやり続けて夏まで行きたい。どれだけ自分の強みを引き出せるかにこの2カ月、特にこだわっていけば、結果は自然についてくる」と彼自身は前向きに話したが、トルコで目覚ましい成果を残さなければ、中島、南野、堂安との融合も、3年後のカタールワールドカップへの生き残りも遠のいてしまう。

 約9カ月ぶりの日本代表復帰で自身の厳しい立場を再認識した香川真司がどのような巻き返しを図っていくのか。まだ完全に不要と判断されたわけではないだけに、ここからが真の勝負と言っていい。30代に入ってから明確な結果を残した長谷部や本田の背中を追うべく、今一度、自分に何ができるのか、森保ジャパンに何をもたらせるのかと真剣に模索してほしいものである。

(取材・文・元川悦子)

【了】

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