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Jリーグ 5年前

世界が注目する久保建英、その成長の跡とは? “間違い”を誘う技術、敵陣以外でも増す凄み

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

日本代表とのマッチアップ

 本来であれば敵陣、さらに言えばペナルティーエリア付近でこそ17歳の才能は強く輝くのだろう。加えて前を向き万全の形で足下にボールが入った時こそが、ドリブルなどの選択肢も含め最も力を発揮できる形に近いはずだ。

 だが得点の起点になった2つのシーンは自陣、しかも決して浅くない場所だった。状況も十分でなく、少し対応を誤れば相手に奪い返される恐れもあったが、そこから致命的なダメージを与えるプレーを出せるのが、今の久保の凄みであり成長の跡なのかも知れない。

 試合に大きく関与できるエリアが日に日に広がり、苦しい体勢からでも力を出し切れるようになってきている。10日のルヴァンカップ・サガン鳥栖戦後に、長谷川健太監督が「すべてがスケールアップしていると思う」と語っていたが、まさに、こういうことなのだろう。

 鹿島の選手との接触もあり後半23分に交代したが、長谷川監督は「前半は言うことないできだったと思います。守備の部分でも安西みたいな、鹿島の武器でもある代表選手とマッチアップしても、臆することなくプレーをしていたと思いますし」と称賛。

 さらに「ルヴァンカップから中3日、もちろんルヴァンの方は時間を制限して30分ぐらいしか出ていませんけど、そういう中でしっかりとしたプレーをして、また得点につながるようなプレーもしてくれたのは非常に大きな活躍をしてくれたのではないかと思います」と、日程にも負けずタフに戦い、結果残したことに目を細めた。

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