やはりメッシ。異次元のFKで勝負あり
75分、ブスケッツからの縦パスを受けたメッシが前を向いてドリブルを開始。DF数人を引き付けたところで縦に走っていたセルジ・ロベルトへパスを出す。一度はロバートソンに弾かれたが、こぼれ球をスアレスがシュート。これもクロスバーに弾かれたが、こぼれ球をメッシが拾い、無人のゴールへ流し込んだ。
ブスケッツがボールを持った瞬間、メッシをフリーにさせてしまったのが痛手だった。もちろん背番号5がそこを見逃すはずがなく、縦パスが入る。その瞬間に動き出したS・ロベルトの判断、そこに出たパスをギリギリで防いだロバートソンの守備も見事だったが、スアレス、そしてメッシらチャンスシーンでしっかりゴール前に人数を集めているバルセロナが一枚上回ったような得点シーンだった。
アウェイで2点差をつけられたリバプール。それでも目標は変わらない。まずは1点。それしかなかった。78分にはフィルミーノを投入。勝負に出た。
しかし82分だった。PA手前中央でファビーニョがファウル。バルセロナにFKが与えられた。キッカーはメッシ。左足で蹴り込んだボールは、壁の外側を通り、ゴールに吸い込まれた。
威力、コースともに完璧。GKアリソンからすれば、まったくのノーチャンスだった。3-0。リバプールの息の根を止めるには、十分すぎる得点だった。
その後、リバプールにもビッグチャンスが訪れたが、サラーがポストに当ててしまい1点を返すことができず。試合はこのまま終了。バルセロナが、ホームで完勝を収めた形となった。
クラブの公式サイトによれば、ユルゲン・クロップ監督は試合後のインタビューで「我々は本当に良い試合をした。去年も含めてCLにおける最高のアウェイゲームだった」と話していたという。その言葉通り、リバプールは決して悪くなかった。しかし「彼はワールドクラスのプレイヤーだ。2点目のFKを止めることは不可能だった」と話すように、メッシに関してはやはり止めようがなかった。
2ndレグは本拠地アンフィールドで行われる。0-3からの逆転は決して簡単なものではないが、ホームの大声援を力に変え、奇跡を起こしたいところだ。
(文:小澤祐作)
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