川崎F・脇坂泰斗は「ワクワクする選手」。生え抜きとして背負う使命、大卒2年目で飛躍の予感

2019年05月07日(Tue)13時19分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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「昨年の1年間がなければ今はない」

 指揮官がプレーぶりを絶賛する一方、脇坂は冷静だった。「(試合に)出るためにやっているのではなくて、出て結果を残すためにやっているので、最低限の結果かなと思います」と気を引き締める。ビッグチャンスで力みすぎてゴールを逃したこともしきりに悔やんでいた。

 ただ、それはたった1試合の活躍で定位置を獲得したわけではないと理解しているからこそ。負傷者が復帰してくれば、再びベンチ入りも難しい日々に戻ってしまうかもしれない。その危機感は、公式戦出場のチャンスをほとんど得られなかった1年目の昨季の経験からくるものだろうか。

「昨年の後半あたりからずっと自分の中では感触がいいなというか、出たらやれるなという感覚があったりしていたので、そういったところで気持ちを切らさずにやれました。1年目で慣れていないという気持ちで済ませたくなくて、もっとうまくなりたいという一心でやっていたので、そういったところは本当に昨年の1年間がなければ今はないと思うので、まだまだですけど、ずっとトレーニングしてきて本当によかったなと思います」

 昨季の公式戦出場は、天皇杯での1試合のみ。その頃と比べれば「自分の自信や余裕もそうですし、全部が違うと思います」と脇坂は言う。ベンチ入りすら厳しい状況でも、中村や家長昭博といった経験豊富かつ実力も飛び抜けた選手たちと研鑽を積む日々は、何にも代え難かった。だからこそ今になって「他のチームで過ごす1年間よりも内容の濃い1年間だった」と実感している。

 じっと我慢して努力を続けていた男のプレーは、とてもリーグ戦初先発とは思えないものだった。周りとのコンビネーションも流れるようにスムーズで、積極的にボールを引き出して多くのチャンスに絡む。卓越したパスセンスとプレービジョンは、小林の1点目をアシストした場面にも現れていた。

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