川崎F・脇坂泰斗は「ワクワクする選手」。生え抜きとして背負う使命、大卒2年目で飛躍の予感

2019年05月07日(Tue)13時19分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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魅力が凝縮されたアシストパス

小林悠
アシストを受けた小林悠も脇坂泰斗の能力の高さを絶賛する【写真:Getty Images】

 序盤の13分、仙台の中盤にできたエアポケットで田中からの鋭いワンタッチパスを引き出した脇坂は、素早く反転して、相手右サイドバックと右センターバックの間でボールを呼び込む小林に預ける。ペナルティエリア内でパスを受けたエースは、半身の状態からゴールに近い左足でボールをコントロールし、そのまま左足を振り抜いてゴール右隅を射抜いた。脇坂のパスから小林のシュートがゴールネットを揺らすまで、わずか5秒の間にいくつもの一瞬の判断が積み重ねられていたのである。

「最初(小林が)ぼやっといるのはわかっていて、自分がフリーというのもわかっていたので、トラップして打とうかなと思ったんですけど、意外とセンターバックの距離感が微妙というか、近くもなく遠くもなく、遠かったら打とうかなと思っていたんですけど、悠さんとも離れていたので、悠さんは左側に(サイドバックを)背負っていたんですけど、それならいけるなと思って(パスを)出しました。

(1点目の直前に)描いていた画は1つじゃないです。自分が(シュートを)打って決める画もそうですし、悠さんに当ててもう1回自分が受けるのも、悠さんが普通に打つでも、一瞬でそういったことを判断できるようになれているので、ああいう得点につながったと思います」

 脇坂は「最初にターンした時に(自分でシュートを)打てるかなと思ったんですけど、悠さんの方が確率高いなと思ってパスに変えました」という一瞬を、正確に描写して見せた。ターンして前を向いて、少し運んでミドルシュートという選択肢もあったが、よりゴールに近づけると判断して出したラストパスにも「悠さんが本当にスムーズにターンして打てるように心がけて出したので、狙い通り」とメッセージを込めていた。

 フロンターレの令和初ゴールを決めた小林も、「足元にすごくいいパスが来たので、止めてすぐ打てました」と脇坂から送られた最高のパスに感謝する。まるでいつも一緒に試合に出ているかのような阿吽の呼吸で生まれたゴールだった。

「憲剛さんは完全なパサーというタイプですけど、それとは違ってヤストは動きながら入ってこれる。動きながらのプレーというのがあるので、スピード感があると思いますし、もちろん憲剛さんのスルーパスとかはないですけど、動きながらコンビネーションで崩せるのがあいつの良さです」

 トップ下気味に構えて流動的に動きながら厳しいプレッシャーを受けても平然とパスをさばいていく脇坂の姿に「中村憲剛」を重ねたが、背番号11のエースは長年コンビを組んできた先輩と、下部組織育ちの23歳との明らかな違いを実感していた。そして「いろいろなワクワクするイメージのできる選手だなと思いますね、ヤストは」と、さらなる飛躍に期待を寄せる。

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