「マイアミの奇跡」。歓喜と絶望の5日間が日本サッカー発展の架橋に【日本代表平成の激闘史(3)】

2019年05月14日(Tue)10時00分配信

シリーズ:日本代表平成の激闘史
text by 元川悦子 photo Getty Images
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“奇跡”は起きた

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スーパーセーブを連発した川口能活【写真:Getty Images】

 そして後半27分、日本に千載一遇の得点機が巡ってくる。左サイドの路木龍次がゴール目がけて山なりのアーリークロスを送った。

 次の瞬間、城の動き出しに反応したアウダイールとキャッチに行ったGKジーダが衝突。ゴールに向かって転がったボールに伊東輝悦が走り込み、無人のゴールにシュート。誰もが予想だにしない形で、日本が先制点を奪うことに成功する。

 実は日本のテクニカルスタッフは「アウダイールとジーダの間の守りが弱い」と分析。その情報を選手たちも頭に入れていたからこそ、歴史的な1点を奪うことができたのだ。

 焦ったブラジルはそこから猛攻に打って出たが、放ったシュートが次々とポストを直撃したり、川口に弾かれたりして、どうしても1点が取れない。ブラジルサポーターがピッチになだれ込むアクシデントまで発生した。

 それでもスコアは動かず、2分30秒のロスタイムも過ぎ、タイムアップの笛。シュート数は28対4という圧倒的な内容の差にもかかわらず、日本は奇跡的な金星を挙げ、重要な初戦を白星スタートしたのである。

 第2戦・ナイジェリア戦は2日後の23日。オーランドのシトラスボウルでのゲームだった。西野監督は遠藤彰弘に代えて白井博幸を先発起用したが、10人はブラジル戦と同じだった。相手はヌワンコ・カヌやオーガスティン(JJ)・オコチャらを擁するスーパーチーム。最終的に頂点に輝くことになるのだが、日本の選手たちはブラジルより御しやすい相手だと考えていたことだろう。

 だが、実際にゲームが始まってみると相手のパワーやスピードなど卓越した身体能力に翻弄される場面が目立つ。それでも意思統一された守備で何とか乗り切って前半を0-0で折り返した。

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