中田英寿は「ふてぶてしいくらいの自信があった」。歴史的勝利を生んだ大胆采配の裏側【日本代表平成の激闘史(4)】

2019年05月15日(Wed)10時00分配信

シリーズ:日本代表平成の激闘史
text by 元川悦子 photo Getty Images
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イランの“先制攻撃”

 前日練習はイラン、日本の順で行われた。イランを指揮するブラジル人のバドゥ・ビエイラ監督は自信満々だった。が、公式練習中にホダダド・アジジが負傷。宿泊先のホテルで車イスに乗ってロビーに姿を現した。

 そこには多数の日本人メディアやファンが宿泊していたため、大騒ぎになったが「イランの陽動作戦だろう」と誰もが冷静に見ていた。案の定、翌日の決戦にアジジはピンピンした様子で現れ、アリ・ダエイとともに2トップを形成した。

 イランからマレーシアの移動に手間取ったうえ、絶対的ボランチのカリム・バゲリが欠場と彼らも数々の困難に見舞われていたが、手強い相手なのは間違いなかった。

 日本の先発はGK川口能活、最終ラインは(右から)名良橋晃、秋田豊、井原正巳、相馬直樹、中盤は山口素弘が底に入り、右に中田、左に名波浩、前に北澤豪という構成。2トップはカズ、中山雅史の黄金コンビだった。

 序盤から一進一退の攻防が続いたこの試合。先手を取ったのは日本である。前半39分に名波から中田にボールがつながり、ラストパスをゴール左側で受けた中山が左足を一閃。先制点を奪う。

 このとき、中山は岡田監督と小野剛コーチから「プルアウェイ」というDFの視野から外れる動きを学び、すぐさま実践してゴールにつなげた。30歳を過ぎてからの彼の吸収力の高さは凄まじく、日本サッカーの大きな力になったのは確かだ。

 1-0で折り返した後半開始早々、日本を戦前からかく乱してきたアジジが同点弾をゲット。この13分後にはダエイに逆転ゴールを決められた。

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