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日本代表 5年前

キャプテン・宮本恒靖が語った本音。最強世代で惨敗、ドイツW杯の真相【日本代表平成の激闘史(9)】

シリーズ:日本代表平成の激闘史 text by 元川悦子 photo by Getty Images

苦境に立つ日本

 日本も中盤を落ち着かせるため後半34分に柳沢敦に代えて小野伸二を送り出したが、役割が中途半端になってしまう。結果的に守備陣は耐えきれず、残り6分間の状況でロングスローからケイヒルに得点を許し、完全に集中が切れた。

 この後ケイヒルとアロイ―ジに追加点を奪われ、終わってみれば、1-3の逆転負け。これはショックが大きすぎて、小野を筆頭に大半の選手がミックスゾーンを素通りしていった。

 18日の第2戦・クロアチア戦は絶対に勝ち点が必要になった。ドイツ戦で負傷した加地亮が復帰し、ボランチには福西崇史に代わって小笠原満男が先発。しかし重苦しい立ち上がりを強いられた。

 前半21分には宮本がPKを献上したが、これを守護神・川口能活がセーブし希望をつないだ。この試合最大の決定機だったのは後半6分。加地からの絶妙なクロスをフリーで飛び込んだ柳沢が決めきれない。いわゆる「QBK(急にボールが来たから)」と呼ばれる決定的シュートを逃したことで、日本は1点を奪えず、スコアレスドローで終了。

 グループ最下位となった日本が生き残るためには、22日のブラジル戦で2点差以上の勝利が必要になった。

 迎えたドルトムント本拠地、ジグナル・イドゥナ・パルクでの最終決戦。ジーコは巻誠一郎、玉田圭司を2トップで先発起用するなどスタメンを大幅に変えた。主将の宮本は累積警告で出場停止。キャプテンマークは中澤佑二が巻いた。

【次ページ】福西崇史の後悔

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