なでしこジャパンは2011年の日本そのものだった。空前のブーム、2人の10番が見たその後【日本代表平成の激闘史(12)】

時代は平成から令和へ。時代は変われども、後世へと語り継ぎたい平成に起きた名勝負を、各ライターに振り返ってもらう本企画。今回は平成23年(2011年)、女子ワールドカップ優勝を果たしたなでしこジャパンについて。世界の頂点に立ち、日本国内は『なでしこフィーバー』に沸いた。(文:青木務)

2019年05月27日(Mon)10時00分配信

シリーズ:日本代表平成の激闘史
text by 青木務 photo Getty Images
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誰もが驚き、歓喜したW杯制覇

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2011年ワールドカップで優勝したなでしこジャパン【写真:Getty Images】

 誰もが驚き、歓喜したあの時から8年が経過しようとしている。2011年7月。日本女子代表、通称なでしこジャパンがドイツで開催されたFIFA女子ワールドカップ優勝を果たした。サッカー日本代表が世界の頂点に立つ――その光景がどれだけ美しいものなのか、この時初めて知った。

 東日本大震災に見舞われた2011年、世の中では『絆』という言葉が頻繁に使われた。「人と人の結びつき」を象徴するような戦いを見せたのが、なでしこジャパンだった。体格差が歴然の海外勢を相手に、集団、組織力で対抗。手を取り合い、全員で強豪に立ち向かう姿は多くの人々の心を打った。

 澤穂希は傑出した勝負強さを見せ、宮間あやはフィールド上の誰よりも冷静に試合を操った。アメリカとの決勝でレッドカード覚悟のプレーを見せた岩清水梓、スケールの大きさと安定感を示した阪口夢穂、今やタレントとして引っ張りだこの丸山桂里奈…誰が欠けても世界一には届かなかっただろう。

 そのひたむきなプレーは悲しみに打ちひしがれた日本を勇気づけた。彼女たちはあくまで目の前の試合に全力で戦ったはずだが、人々の想いも背負ってくれていたかもしれない。大会後には国民栄誉賞が送られ、新語・流行語大賞の年間大賞も受賞。なでしこジャパンは2011年の日本そのものだった。

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