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Jリーグ 5年前

“新生”ヴィッセル神戸にイニエスタの入り込む余地なし。ベンゲル招聘も疑問、ついに見えた最適解

text by 藤江直人 photo by Getty Images

「自信をもってチャレンジにいける」

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ゲームキャプテンを務めた山口蛍【写真:Getty Images】

「攻撃の形を上手く作れないなかで先に失点してしまうと、どうしてもみんなが落ち込んでしまうというか、気迫というものがなかなか感じられなくなった。僕が声を出しても、もうちょっと応えてくれてもいいんじゃないかと思うくらい、チームとしてすごく難しい状況になってしまう」

 絶対的な拠りどころがないから、何とか押さえ込んできた不安や自信のなさが、失点とともに顔をのぞかせてしまう。ひるがえって、ベルマーレ戦に臨んだヴィッセルの最終ラインは、リーグ戦では初めて4バックから3バックへとスイッチしていた。

 実は22日に行われた、名古屋グランパスとのYBCルヴァンカップ・グループリーグ最終節でも、ヴィッセルは3バックを採用している。試合は1-3で敗れ、公式戦における連敗が9に伸びた。それでもチーム全体としては、ネガティブには受け止めていなかったとFWウェリントンは舞台裏を明かす。

「実際にプレーしていた選手たちは、守備のベースの部分に手応えを感じていた。このシステムで戦う以上は、何が自分たちのストロングポイントになるのかがわかってきた」

 ベルマーレ戦では左から身長186cm体重82kgの宮大樹、187cm82kgの大崎玲央、187cm80kgのダンクレーが3バックを形成した。グランパス戦で右に入った186cm77kgの渡部博文をダンクレーに代えて、高さと強さを兼ね備えた3人を最終ラインに配置した理由を、吉田孝行監督はこう説明する。

「センターバックが3人いることで、各々が守るスペースが狭くなる。加えて、1人がいったとしても残る2人がカバーする状況なので、より自信をもってチャレンジにいけると思う」

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