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Jリーグ 5年前

“新生”ヴィッセル神戸にイニエスタの入り込む余地なし。ベンゲル招聘も疑問、ついに見えた最適解

text by 藤江直人 photo by Getty Images

ビジャの「慣れているポジション」

 前線の選手配置も変わっていた。スペイン代表で歴代最多となる、通算59ゴールという肩書きを引っさげて、今シーズンからヴィッセルに加入したFWダビド・ビジャにとっては、タッチラインが視野に入るほど左サイドに張る、慣れ親しんだポジションに戻ったことになる。

 実はセレッソ大阪との開幕戦でも、極端なほど左サイドに張り続けた。そして、右タッチライン際には元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキ。中央にはFCバルセロナおよびスペイン代表で一時代を築いたレジェンド、MFアンドレス・イニエスタがいわゆる“ゼロトップ”の形で入る。

 昨秋から指揮を執り、4月17日に電撃辞任したスペイン人の知将、フアン・マヌエル・リージョ前監督が打ち出した、“VIPトリオ”による超攻撃的な布陣。しかし、可能性を感じさせながらもセレッソに完封負けを喫したことで、ビジャは第2節から中央に陣取るようになった。

「セレッソ戦を含めて、これまで何度も左サイドでプレーしてきたし、自分にとっては非常に慣れているポジションだった。監督から求められれば、どこでもプレーするつもりでいる」

 スペイン代表でも、バルセロナをはじめとするヨーロッパのクラブでも、ビジャは左サイドからドリブルでカットインして、利き足の右足でシュートを放つスタイルでゴールを量産してきた。もっとも、セレッソとの開幕戦とは感覚が違ったとベルマーレ戦後に明かしている。

「セレッソ戦よりも自分の周りにスペースがあった。ウェリントン選手が相手のセンターバックを引きつけるいい働きをしてくれたことで、いつもより自由にプレーできたと思っている」

【次ページ】ウェリントンの脅威

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