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日本代表 5年前

久保建英は日本代表に何をもたらす? 年長者も認める実力、激しさを増す森保ジャパンの競争

キリンチャレンジカップの2試合を控えた日本代表が2日から合宿を開始した。森保一監督率いるチームの中には、久保建英の姿も。17歳で初めてのA代表招集となった“神童”の存在は、日本代表に何をもたらすのだろうか。(取材・文:元川悦子)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

「僕自身も彼から学んでいきたい」(長友)

長友佑都
「僕自身も彼から学んでいきたい」と長友佑都は久保建英へのリスペクトを口にした【写真:Getty Images】

 日本代表がが5日のトリニダード・トバゴ戦、9日のエルサルバドル戦に向け、2日から豊田市内で始動。初日は小雨の降る中、ホテルでの調整となった大迫勇也を除く26人がトレーニングに参加した。

 シーズン終了から少し時間が経過している香川真司や長友佑都ら海外組17人は2対2や8対8など強度の高いメニューを初日からこなしたが、その一挙手一投足を凝視していたのが、17歳の新戦力・久保建英だ。1日の大分トリニータ戦で2ゴールという華々しい活躍を見せた彼はクールダウンに努めたが、先輩たちのパフォーマンスを目に焼きつけることは忘れなかった。

 その久保の加入に大きな刺激を受けているのが、代表経験豊富な年長者たちだ。

「彼がここに来たのは実力で勝ち取ったものだと思う。今、Jリーグを見ていてもホントにすごいプレーをしているし、名前とか若さとか将来性とかで来ているわけじゃない。斜めに上がるんじゃなくて、もう真上に上がるくらいの成長速度を期待してますし、僕自身も彼から学んでいきたい」と長友はリスペクトを示しつつ、吸収できるものはしたいという貪欲さを強く押し出した。

 そう考えているのは彼だけではない。1年ぶりの日本代表合流となる36歳の川島永嗣や33歳の岡崎慎司といったワールドカップ3大会を経験したメンバーも「負けていられない」という闘争心を抱いたはずだ。

 10代の選手が代表に呼ばれるというのは、過去を振り返ってもそう多いことではない。今回の27人を見ても、10代で国際Aマッチに出場しているのは、冨安健洋と香川の2人だけ。柴崎岳も2012年2月のアイスランド戦に招集されたが、出番はなかった。

 この3人はいずれも当時19歳だったが、久保は現時点で17歳。1998年フランスワールドカップ直前にも市川大祐が同じ17歳で代表に呼ばれているが、プロデビュー間もなかった彼とは違い、久保は首位・FC東京の絶対的な柱として君臨している。

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