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日本代表 5年前

日本代表に存在する「中島翔哉のスイッチ」。築くのは時間ではなく相性。A代表と五輪代表をつなぐ触媒に【西部の目】

日本代表は5日、キリンチャレンジカップ2019でトリニダード・トバゴ代表と対戦し、0-0で引き分けた。無得点だったものの、中島翔哉の存在感は際立っていた。東京五輪(U-22)日本代表が多く選ばれたコパ・アメリカ(南米選手権)では、中島と五輪代表選手たちの関係性が、今後の日本代表に大きく影響を与えるかもしれない。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の目 text by 編集部 photo by Getty Images

繰り返される「中島無双」

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トリニダード・トバゴ戦に先発出場した中島翔哉【写真:Getty Images】

 0-0に終わったトリニダード・トバゴ戦でも中島の存在感は際立っていた。

 トリニダード・トバゴは4-5-1で守備を固めていたが、途中から3人が前残りするようになる。日本のDFが3バックだったので、FW3人をぶつけてカウンターアタックでアドバンテージを得ようとしたわけだ。

 ただ、日本に一方的にボールを支配されたためにカウンターは打てず。ウイングが戻ってこないので、日本はサイドで簡単に2対1を作れていた。長友佑都にボールが入れば中島がパスを受けるのはたやすく、前向きに仕掛けていけばいつもの中島無双だったわけだ。

 中島が右足の外にボールを置いた瞬間にスイッチが入る。

 その瞬間、大迫勇也は対面のDFの背後をとっていたし、堂安律も逆サイドからのランをスタートさせていた。3バックの初使用が注目された試合だが、どんなシステムを使おうと最後は人と人の関係がほぼすべてである。関係が成立するか否かは一瞬で決まり、勝負のタイミングを共有しているチームが多くのチャンスを作ることができる。

 中島が右足の外へボールを置いた瞬間がその合図になっていた。そうしたタイミングのスイッチは多ければ多いほどいいわけだが、今のところ誰が見ても明確にあるとわかるのが中島のスイッチだ。逆にいうと、それ以外のスイッチはまだ顕在化していない。

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