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日本代表 5年前

日本代表に存在する「中島翔哉のスイッチ」。築くのは時間ではなく相性。A代表と五輪代表をつなぐ触媒に【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 編集部 photo by Getty Images

時間より相性の問題

 最近のバルセロナが、いわば「メッシ・システム」に帰結しているのは周知のとおりである。リオネル・メッシのスイッチに最も反応がいいのは左サイドバックのジョルディ・アルバだ。

 ある試合を見ていて驚いたのだが、中盤でボールの奪い合いになっているときに、ジョルディ・アルバはいきなり左のスペースめがけてスプリントを開始していた。まだ、はっきりとバルサのボールになっていないうちから動いていた。

 ボールはメッシの前にこぼれ、ダイレクトの決定的なパスがジョルディ・アルバへ放たれている。ジョルディ・アルバはメッシにボールがこぼれることがわかっていたのだろうか? 状況的にたぶんそうではなかったと思う。ただ、もしメッシにこぼれたら、もうスタートしなければ間に合わないと感じたに違いない。実際にそうなっている。

 この感覚を持っているのは、バルサでもおそらくジョルディ・アルバしかいない。もし、ボールが相手にこぼれていたら? そのときは反転して戻るだけだ。そうしたリスクへの考え方も含めて、メッシと最も密接な関係を持てる選手といえる。

 こうした感覚の共有は普段の練習で培われるところもあるかもしれないが、初めて組む選手同士でも成立してしまうことが多い。日本代表でも南野拓実、堂安、中島、大迫のアタックラインが揃った日にはすでに成立していた。時間より相性の問題なのだろう。

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