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リバプール、躍進を支えた裏方の功績。W杯開催年を乗り切ったその手腕が戦力UPのカギに【18/19シーズン総括(13)】

シリーズ:18/19シーズン総括 text by 内藤秀明 photo by Getty Images

難しい仕事を成し遂げたフィトネスコーチ

 しかし蓋を開けてみれば、リバプールがコンディション不良に陥ったのは、年明けの2試合くらいだろうか。たしかに1月31日に行われたレスター戦、2月5日に行われたウェストハム戦は体が重く、低調な内容で共に1-1。これらのどちらかで、勝利を収めることができていれば、リーグ戦で優勝できたかもしれないと悔やむ声も多い。

 ただこの2戦の直前にはドバイでキャンプが行われていた。内容は一切公開されていないため内容は定かではないが、直後のパフォーマンスの悪さやその後のシーズンを良いコンディションで走りきった事実からして、休養ではなく高負荷のトレーニングでフィジカルを作り直していた可能性が高い。

 4月、5月、マンチェスター・ユナイテッドや、アーセナル、トッテナムなどの上位陣が、2試合どころか数試合もコンディションを落として苦しんでいた事実を考慮すると、リバプールのシーズン通してのコンディショニングは上出来だったとも言える。夏の休養が短く、ハードなサッカーを志向してこれなのだからなおさらだ。

 クロップが2016年にバイエルン・ミュンヘンから引き抜いたドイツ人フィットネスコーチ、アンドレアス・コーンマイヤーは非常に難しい仕事を成し遂げたのだ。

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