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長友佑都の10年ぶり得点はどれだけすごい? 2009年の出来事から感じる時の流れ、それでも変わらぬ主力の座

text by 編集部 photo by Getty Images

長友佑都
長友佑都【写真:Getty Images】

【日本 6-0 モンゴル カタールワールドカップ・アジア2次予選第2節】

 日本代表は10日、2022年カタールワールドカップ・アジア2次予選の第2節でモンゴル代表と対戦し、6-0の大勝を収めている。これで日本代表は2次予選連勝スタートを切る形となった。

 試合は立ち上がりから日本代表がペースを握ると、22分にMF南野拓実が先制点を奪取。その7分後にはCKの流れからDF吉田麻也も得点を奪いモンゴルを2-0と突き放した。

 そして迎えた33分には、FW伊東純也のクロスをボックス内でフリーとなっていたDF長友佑都が冷静に押し込んで3点目。同選手にとってはこれが代表でのおよそ10年ぶりとなる得点になった。日本代表はその後にFW永井謙佑、MF遠藤航、FW鎌田大地にもゴールが生まれている。

 さて、およそ10年ぶりとなる代表での得点を挙げた長友。その10年前に生まれた得点は2009年10月8日に行われたアジアカップ最終予選の香港代表戦であった。左サイドバックとして先発出場を果たしていた長友は1-0で迎えた29分、味方選手が放ったシュートのこぼれ球を拾うと、相手選手のマークを鋭いカットインで外し、右足を振り抜く。これがゴールネットに突き刺さり、チームに貴重な追加点をもたらした。

 モンゴル戦後のインタビューで「遠かったです」と得点の感想を述べた長友。奇しくも香港戦、そして今回のモンゴル戦が行われたのは10月、そして両試合共に6-0の勝利を収めているなど、何か不思議な運命に導かれている。

 では10年前、世の中ではどのようなことが起こっていたのか。まず、世間に大きな衝撃を与えたのが世界的大スターのマイケル・ジャクソンさんの急死ではないだろうか。これは2009年6月のことであったが、世界中が驚きと深い悲しみを覚えた。

 また、第44代アメリカ大統領にバラク・オバマ氏が就任したのもこの年。アメリカ史上初の黒人大統領誕生は日本でも大きく報道されていた。

 この年、話題となったのがドラマ「JIN -仁-」。大沢たかお主演、綾瀬はるかや中谷美紀、桐谷健太といった豪華なキャスト陣で構成された同ドラマは、絶大な人気を誇っていた。また、大ベストセラーとなったのが村上春樹の「1Q84」。こちらも大きな話題を呼んでいた。

 スポーツ界では侍ジャパンが大活躍。同年に行われたワールド・ベースボール・クラシックで決勝まで辿り着いた同チームは、ファイナルでライバルの韓国代表を下して連覇を達成した。日本中が歓喜に沸いたのである。

 と、ここまで2009年の主な出来事を振り返ってきたが、どれも懐かしいものばかり。“10年”とはそれほどの月日であるということだ。

 今回、長友は10年ぶりに代表戦で得点を挙げた。DFながらゴールに対する意欲が高いのも評価すべきだが、何より10年という長い期間で変わらず日本代表の主力に定着していることが、最も評価されるべきではないか。もちろん、同選手の代わりとなるような若手が出てくることは望ましい。ただ、まだまだこの男の存在は必要になってきそうだ。

【了】

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