FC東京DF渡辺剛と石川直宏に共通する「オリジナル」の魅力。独学で掴んだ空中戦の技術とは?【対談前編】

明治安田生命J1リーグも残り2試合を残すところとなり、FC東京は熾烈な優勝争いを演じている。初のJ1優勝を目指すFC東京で存在感を高めている22歳のDF渡辺剛と、伝記『石川直宏 素直』(馬場康平著/カンゼン)をリリースしたばかりの石川直宏・FC東京クラブコミュニケーター(CC)の対談が実現した。今回は前編。(取材・文:後藤勝)

2019年11月26日(Tue)10時00分配信

text by 後藤勝 photo Editors
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「オリジナル」のプレースタイル

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石川直宏クラブコミュニケーター(左)とDF渡辺剛(右)【写真:編集部】

――渡辺選手がFC東京を認識し始めたのはいつ頃ですか?

渡辺剛(以下、渡辺)「埼玉県に住んでいたので小学校低学年のときは浦和レッズの試合を観に行っていたんですけど、FC東京サッカースクールに通い始めて2年目の小学校4年生くらいのときになると、チーム単位で観に行って『カッコいいなぁ』と思いました。誰かというよりはチーム全体を観ていたので、誰か特定のファンというわけではなく、ざっくり観ていた(笑)という感じです。中学3年生くらいになると、ナオさんが輝いているなぁということもわかり始めました。攻撃の選手が好きだったので」

石川直宏(以下、石川)「そうなんだ。じゃあ、こういう選手になりたいとか、ここを盗もうという感覚じゃなかった?」

渡辺「誰かセンターバックの選手のプレーを観て参考に、とかはないですね」

石川「オリジナルなんだね。オレもそうかもしれない。理想はスター性も含めてカズさんだったけれど、ドリブルからのシュートというプレーは自分自身でつくり上げていったし。剛も自分のものを大事にしているのかな、と」

渡辺「そうですね。全て独学なので。ヘディングも誰かの真似ではなく、練習でタイミングを掴んできたし。全部自分の感覚です」

――U-22日本代表に入って、トップの試合に出るようにもなり、でもまだ突き詰めていくところはある?

渡辺「そうですね、やり尽くした感じではないです。まだ試合に出させてもらっているという感じが残っているところがよくないなと思っていて、誰かに頼っている部分が自分のなかにある。それは試合中にどんどんなくなっていくものだと思うんです。FC東京でしっかりとプレーしていれば代表でもプレーできないことはない、と感じたので、まずはFC東京でしっかりやりたいなと」

「先に跳ばないとヘディングは成立しない」

――渡辺選手が中央大学から特別指定で加入した年と、石川さんがCCを始めた年は奇しくも同じ2018年。間近で見続けてきてどういう印象ですか?

石川「どういう特長があるのかなと見ていましたが、ヘディングは間違いなくすばらしいと思いますね。ジャンプのタイミングと、空間認知力と。逆に、先に跳びすぎてファウルになっちゃう(笑)」

渡辺「それが課題でもあります(笑)」

石川「でもあのタイミングで跳べる選手、なかなかいないですよ」

――バネとか身長だけじゃないんですね。

渡辺「そうですね。相手より先に跳ばないと僕のヘディングは成立しえないので。ちょっとでも先に跳ぶと相手は嫌がって跳ばない。それを狙って先に跳んだりとか考えてプレーしています。できるだけ空中で待てるようにしたりとか。」

石川「あと、驚いたのは1対1の対応ですね。特にひっくり返ったとき(の自陣に戻りながらの守備)。スピードと、寄せる距離感とか角度とか。ひとりで解決できちゃう部分もある。しかも落ち着いている。決して慌てない。自分のディフェンスの強みは?」

渡辺「正直、最後のところでやらせなければいいと思っています。崩されても真ん中を閉じられればいいと。うまく取れなくても粘って自分にシュートが当たればいいという感じです。一回抜かれても失点しなければいいと、次のチャレンジに向かう」

石川「だからよけいな力が入っていないんですよ。そこで全部ガツンと行って取ろうとして、そこで終わってしまうのではなく対応できているから。先輩の吉本(一謙)は全消しと言われていたけれど(笑)、最後のところであれが抑えられると、守備で盛り上げられるというのはある。(スタンドが)沸くじゃない」

渡辺「あれが楽しい。そういうところに守備の楽しさが詰まっているので、それでチームも盛り上がる」

(取材・文:後藤勝)

後編はこちら

【了】


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(著・馬場康平)

定価:本体1600円+税
クラブからも、サポーターからも愛された石川直宏のバイオグラフィー。
FC東京のサイドを駆け抜け、得点やアシストを量産した石川直宏のサッカー人生は、常に逆境との戦いだった。
右膝前十字靭帯損傷、腰椎椎間板ヘルニアなど、度重なる大怪我に見舞われ、夢だったワールドカップ出場も叶わなかった。
それでも何度も立ち上がり続けたアタッカーの素顔に迫る。

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【了】

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