名古屋グランパスが断念した風間八宏スタイル。機能した新戦力と不調に陥ったダブルエース【2019年Jリーグ通信簿】

今シーズンのJ1リーグも全日程が終了した。この1年を振り返り、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、13位の名古屋グランパスの今季を振り返る。(文:編集部)

2019年12月31日(Tue)10時00分配信

シリーズ:2019年Jリーグ通信簿
text by 編集部 photo Getty Images
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突如としてとん挫した風間サッカー

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名古屋グランパス【写真:Getty Images】

 3年目を迎えた風間体制は実を結ぶかに見えた。「ACL出場権獲得」を目標に掲げて好調なスタートを切り、11節を終えた時点では勝ち点23でFC東京に次ぐ2位につけた。

 15戦未勝利を記録した昨季とは異なり、今季は好調なスタートを切った。しかし、ここから歯車が狂い始めた。15試合でわずか1勝しか挙げられずに順位を11位まで落とすと、クラブは風間八宏監督との契約解除を発表した。

 昨冬は楢崎正剛、佐藤寿人、玉田圭司といったベテランがチームを去り、左サイドバックに吉田豊、中盤には米本拓司とジョアン・シミッチを加え、宮原和也とガブリエル・シャビエルは完全移籍に切り替わった。昨夏の大型補強も含めて、風間八宏が標榜するサッカーを表現できる選手たちを揃えたはずだった。

 小西工己社長は風間監督との契約解除に際し、「これからクラブが目指すべきスタイルの礎」を築いた風間監督への感謝を述べた。しかし、クラブが再建を託したのは、FC東京やサガン鳥栖で堅守速攻サッカーを見せていたマッシモ・フィッカデンティだった。

 監督交代後も状態は上向かず、1勝3分4敗でかろうじて残留を決めた。風間サッカーに適した選手たちに堅守速攻を浸透させる時間はなかった。

 ジョーの不調はチームの成績に大きな影響を与えた。得点王に輝いた昨季に続いて、今季もチームが好調だった11節までに5得点を挙げた。しかし、右足首の怪我や新監督のスタイルへの適応に苦労し、以降は1ゴールしか挙げられず。シャビエルも加入3年目で最低の成績に終わった。

 エドゥアルド・ネットは1月に右股関節の手術に踏み切り、復帰は6月末まで待つことになった。しかし、フル出場が6試合のみだったネットに代わって、新戦力の米本とシミッチがその穴を埋めた。吉田はこれまで固定できなかった左サイドバックに入り、4アシストと結果を残した。赤崎秀平は5得点を挙げて貴重なバックアッパーとなるなど、補強は一定の成果を出したと言えるだろう。

 来季もフィッカデンティ監督の続投が決まった。イタリア人指揮官の下で新たな調和をみせるか、大幅な選手の入れ替えが起こるのか。いずれにせよ、2年半に渡って作り上げてきた風間スタイルとは違うものを見ることになるだろう。

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