サンフレッチェ広島、着実に進む「世代交代」。6位もおおむね高評価、足りなかったのは…【2019年Jリーグ通信簿】

J1リーグの2019シーズン全日程が終了し、まもなく新シーズンが幕を開けようとしている。昨季の1年間、各クラブはどのようなシーズンを過ごしたのだろうか。今回は、6位のサンフレッチェ広島の2019年を振り返る。(文:編集部)

2020年01月08日(Wed)10時20分配信

シリーズ:2019年Jリーグ通信簿
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チームを支えた若手の台頭

サンフレッチェ広島
2019シーズンの明治安田生命J1リーグを6位で終えたサンフレッチェ広島【写真:Getty Images】

 城福浩新監督を迎えて挑んだ2018シーズンのサンフレッチェ広島は、まるでジェットコースターのような1年を過ごした。第25節の鹿島アントラーズ戦終了時まで首位を走るなど優勝へ向けての期待感が高まる中、翌第26節のサガン鳥栖戦で0-1の敗北を喫すると、そこから勢いは急降下。最終的には9試合未勝利のままシーズンを終え、タイトルを川崎フロンターレに譲る結果になった。

 ショックの大きかった2018シーズンを終え、迎えた2019シーズンも指揮を執るのは城福監督。同指揮官はチームに走力を求め、より流動的にボールを回すサッカーへと変化させていった。

 スタートは上々で、第7節のヴィッセル神戸戦終了時点で首位に立っている。しかし、第8節のFC東京戦で0-1の敗北を喫すると、チームはそこから5連敗。順位を8位にまで落とした。

 その後は11戦無敗を記録するなど調子を取り戻した広島であったが、上との差はなかなか縮まらず。第29節を終えた時点で4位にまで順位を回復させたが、第30節から第33節まで勝利から見放され、最終的には6位で2019シーズンを締めくくることになった。

 2018シーズンの2位という成績に比べると、不本意なシーズンになってしまったという見方もできなくはない。ただ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)、リーグ戦、YBCルヴァンカップ、天皇杯を戦った中で、ポジティブな要素を多く残したとも言えるはずだ。

 一つは、若手選手の台頭。MF森島司やDF荒木隼人、GK大迫敬介、MF松本泰志、MF東俊希といった選手は、それぞれが持ち味を発揮し、A代表や年代別代表選出へと繋げていった。ACLで決勝トーナメント進出を果たしたのも、選手にとっては大きな自信に繋がったはずだ。「若手の成長」が大きなテーマでもあった広島にとって、世代交代を進めながらリーグ戦で6位、ACL決勝トーナメント進出を果たせたのは、大きなポイントだと言える。

 新加入選手の躍動も見逃せない。FWドウグラス・ヴィエイラは明治安田生命J1リーグ初参戦ながら7得点をマーク。シーズン途中に加わったFWレアンドロ・ペレイラも4得点と期待通りの活躍だ。さらにDFエミル・サロモンソンとMFハイネルの両者も、3バックをベースとする広島には欠かせないピースとなっていた。関西大学卒業後に加入した荒木も今季は飛躍の年になった。

 ベテランのMF柏好文はキャリアハイとなるリーグ戦8得点をマークするなど若手中心のチームを大きく牽引。MF青山敏弘は負傷の影響によって前半戦をほぼ棒に振ってしまったが、MF川辺駿、MF稲垣祥、森島らが躍動した中盤の質も申し分なかった。さらに、DF佐々木翔を中心とした3バックも抜群の安定感を誇っており、失点数はリーグ2位タイに少ない「29」となっている。

 その中で悔やまれるのが得点力だ。チーム最多得点者は柏で8得点。6位に食い込みながら、総得点45はあまり良い数字とは言えない。

 2018シーズンにリーグ戦20得点を叩き出したFWパトリックの不調が大きく、なかなかフィニッシュで違いを生みだせる選手は少なかった。良い形でシュートまで繋げる場面は多く作れていたので、仕上げの部分は新シーズンに向けても必要なポイントになってくるはずだ。

 2020シーズンは稲垣、サロモンソン、FW渡大生らが抜けるものの、ハイネルやL・ペレイラなどがレンタル期間を延長している。若手の更なる成長も楽しみで、タイトル奪還を果たせるかどうかに注目が集まる。

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