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Jリーグ 4年前

ガンバ大阪、昌子源の加入で総合力がアップ。王座奪還へ、カギを握るのは?【2020年J1補強診断】<再掲>

2020年のJリーグが開幕する。新シーズンに向けJ1各クラブはどのような補強を行ったのだろうか。今回は、昨季J1で7位という成績に終わったガンバ大阪を取り上げる。(文:編集部)※2020年2月11日のものを再掲

シリーズ:2020年Jリーグ補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

充実補強で高まる期待感

ガンバ大阪
【写真:Getty Images】

 2019シーズンのガンバ大阪は、スタートダッシュに失敗していた。開幕節の横浜F・マリノス戦を2-3で落とすと、第5節から第11節までの7試合で連続未勝利。順位は一時16位にまで転落していた。

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 しかし、転機となったのは第12節のセレッソ大阪戦であった。宮本恒靖監督はダービーという大一番で、3-3-2-2システムを採用したのである。すると、この試合でG大阪は1-0でライバルチームに勝利。リーグ戦では実に2ヶ月ぶりとなる勝ち点3を得たのだ。

 その一戦を経て、G大阪は変化を遂げた。7月以降のリーグ戦で敗れたのはわずか4回。引き分けが多かったのも事実だが、「簡単には負けない」チームになった。最終的には3連勝で2019シーズンを終え、一時は降格圏に沈んだ順位も7位にまで回復させている。

 迎える2020シーズン。G大阪のベースは、あのC大阪戦で用いた3-3-2-2になるだろう。昨季も後半戦は同システムを採用していたが、今季はその強度をスタートから発揮し、上位進出を目指したいところである。

 さて、今冬の移籍市場の動きだが、G大阪にとって満足のいくものになったのではないだろうか。昨季の主力はほとんど残留。さらにJ1での実績十分な選手を何名か加えており、新シーズンに向け期待感が持てるスカッドを作成できたと言えるだろう。

 サガン鳥栖からはFW小野裕二が完全移籍で加入。積極的な仕掛けからゴール、アシストの両方で貢献できる同選手は、即戦力にはなれずとも、ジョーカー的存在としては十分に頼もしい。新チームでは2トップの一角としてはもちろんのこと、トップ下2枚の位置でも起用することが可能なはず。大きな戦力補強になったと言えるだろう。

 また、前線にはFWパトリックがサンフレッチェ広島から完全移籍で“再加入”。2トップはアデミウソンと宇佐美貴史が不動になるはずだが、同選手も控えに置くにはもったいない存在だ。さらにパトリックの他にもFW渡邉千真もおり、前線の層は申し分ないと見ていいだろう。

 ジュビロ磐田からはDF新里亮が期限付きで加入。こちらも即戦力にはならないはずだが、バックアッパーとしては申し分ない補強になった。さらにDFラインにはDFオ・ジェソクがFC東京から復帰。左右両サイドを難なくこなすことができる同選手は、G大阪においてウィングバックとしてもセンターバックとしても起用できる。長いシーズンを戦う上で、幅広いポジションをこなすことができるプレーヤーの復帰は大きいだろう。

 GK東口順昭のバックアッパーにはGK一森純とGK石川慧を補強。GK谷晃生やGK林瑞輝の抜けた穴を的確に埋めている。また、DFタビナス・ジェファーソンやMF市丸瑞希といった若手選手の成長も楽しみなところである。

 そして、なんと言っても今冬の目玉補強はDF昌子源だ。日本代表としてロシアワールドカップ出場を果たしたその実力に疑いの余地はなく、即戦力として十分に数えられる選手だ。DF三浦弦太、DFキム・ヨングォンと組むことが予想される3バックは、Jリーグでも屈指の強度を誇るだろう。昨季守備面の課題が浮き彫りとなったG大阪からしてみれば、これ以上ない戦力補強となった。

 宇佐美、アデミウソン、MF小野瀬康介、MF井手口陽介、昌子…。G大阪が揃える人材は豪華だと言えるだろう。メンバーだけを見れば、リーグ優勝も十分に狙える。サポーターの期待感も大きいはずだ。

 しかし、やはりカギを握るのは宮本監督だろう。長いシーズンを戦う上で、チーム戦術というものは確実に対策される。とくに3-3-2-2というシステムが固まりつつあるG大阪ならなおさらだ。そこを上回るだけの策を用意できるのか。2020シーズンはそうした部分も重要になる。そこを乗り越えた時、G大阪はより高みへ上ることができるだろう。

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