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リヨン対バイエルン、予想スタメン&プレビュー。夢の続きを見られるのはどちらに?【欧州CL準決勝】

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

マッチプレビュー

ミュラー アワール
【写真:Getty Images】

 リュディ・ガルシア監督率いるリヨンの夢は、準決勝で潰えることになるのだろうか。バイエルン・ミュンヘンはあまりにも強すぎて、恐怖すら覚えるほどだ。

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 準々決勝でバルセロナから8得点を奪って勝利した試合の結果は、世界中に大きな驚きをもたらした。攻守に完成度が高く、隙がない。優勝に最も近い存在と言っていいだろう。

 だが、選手たちに一切油断はないようだ。バルセロナ戦の翌朝、クラブ公式のインタビューに応じたバイエルンの主将マヌエル・ノイアーは「サッカーの世界では時の流れがものすごく早い。ゆっくり休んだり、後ろを振り返ることはできない」と準決勝に向けて頭を切り替えていた。

 そして「リヨンは非常に戦術的で、カウンターも鋭い。シティに猛攻をかけ、決定的な役割を果たした選手たちも揃っている」と、欧州屈指の強豪を続けて破った次なる対戦相手への警戒も口にした。

 一方、シティ戦で値千金の先制ゴールを奪ったマクスウェル・コルネは、『UEFA.com』のインタビューの中で「ユベントスやシティのようなビッグクラブを破ったということは、僕たちもそういったチームと同じくらい優れていることを示していると思う」と、勝ち上がるごとに自信が深まっていくことを実感しているようだ。

 だが、「浮かれてはいけない。地に足をつけて、懸命に努力を続けなければならない。最も重要なのは自分自身にフォーカスすることだ」とも述べる。バイエルンにもチャレンジャー精神を胸に立ち向かっていくだろう。

 リヨンを率いるリュディ・ガルシア監督は、これまで主に格上相手に3-5-2の布陣を採用してきた。ウィングが本職のコルネは、この指揮官によって左ウィングバックという新しい役割を与えられ、戦術の肝になっている。

 守備時はしっかり最終ラインまで下がってサイドを封鎖し、ボールを奪ってカウンターに移れば一気にゴール前まで駆け上がる。マクセンス・カケレやブルーノ・ギマランイス、ウセム・アワールが組む中盤のトライアングルが中央を締められるかと同じくらい、コルネの機能性はリヨンの出来を測るバロメーターなのだ。

「若い選手として、このような(欧州の頂点に立つ)瞬間を経験するためにプレーしているので、(優勝のことを)考えないのは難しい。そして、ことわざにあるように『君は君の夢を実現しなければならない』んだよ。それがまさに今、その夢のために生きている信じられないくらい若いチームで、僕たちが取り組んでいること。僕たちは再び全てを捧げる。もちろん、まだまだ腹ペコだ」

 そう語るコルネと同じように、ノイアーも勝利に飢えている。

 バルセロナ戦前の記者会見では「僕たちは今のところ成功と言えるシーズンを送っているが、まだここ(CL)にいるし、まだまだ飢えているし、集中している。常にチームがうまくいっていて、試合に勝つことが重要だ。正しい目標は自分たちの前にある。カップ戦に勝っても、リーグ優勝をしても、今は次の目標を達成したいと思っている」と、タイトル獲得への強い思いを語っていた。

 戦前から圧倒的な有利が予想されたシティは、突然のシステム変更など策を弄してリヨンに敗れた。横綱相撲のバイエルンがそのような愚かな判断ミスを起こすとは思えないが、驕り高ぶって相手を舐めてかかれば痛い目を見ることになる。

 チャレンジャーとして飽くなき勝利への欲を前面に押し出す若きリヨンは、失うものなくバイエルンに立ち向かうだろう。ユベントスとシティを打ち破った団結はバイエルンにも通用するか。

 リヨンもバイエルンもシーズン途中の監督交代という苦難を経て、見事にチームを立て直し、CL決勝の目の前まで到達した。双方とも戦術的な完成度が非常に高いだけに、パリ・サンジェルマンが待つ決勝進出に向けてバチバチのぶつかり合いが期待できそうだ。

【了】

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