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柴崎岳、約1年ぶりの日本代表戦は「スポーツ界全体の模範になるような活動に」

text by 編集部 photo by Getty Images

柴崎岳
【写真:Getty Images】

 日本代表は現地5日からオランダ・ユトレヒトで合宿を行なっている。

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 初日の練習から一夜明け、オンライン取材に応じたMF柴崎岳は「本当に久しぶりだなという感覚で、この世の中の状況で考えれば、本当にこの活動を大事にしなければいけないなと感じました」と約1年ぶりとなる日本代表合宿への思いを語った。

 新型コロナウイルスの世界的な流行にスポーツ界も大きな影響を受けた。日本国内ではようやく徐々に各競技の日本選手権などが開催されるようになってきたが、代表チームの海外遠征は男子サッカーが先陣を切って再開させることとなった。

 そうした事情を受けて「今回の代表活動はスポーツの中でもサッカーが先頭に立ってやるということも聞いたので、そういった意味でもサッカー界だけでなくスポーツ界全体の模範になるような活動になればと思っています」と柴崎は気を引き締めていた。

 昨季はデポルティボ・ラ・コルーニャに、今季は移籍してレガネスに所属する日本代表の司令塔は、スペイン2部というタフな環境で戦い続けている。同国ではいまだに観客を迎え入れておらず、試合中は静まり返ったスタジアムにピッチ上の選手たちの声が響くような状況だ。

 柴崎自身も「生活様式や試合環境も様変わりした中で、特に観客とともに試合を作っていけないことが、今は大きい」とファン・サポーターの後押しを受けられない現状の難しさを実感しているところだ。

「いつの日かそれを取り戻して、熱狂的な雰囲気のあるスタジアムをまた作っていけるようにというのは感じています」

 鹿島アントラーズ時代から、スペインに渡ってテネリフェ、ヘタフェ、デポルティボと、これまで所属したクラブにはもれなくクラブに忠誠を誓う、数多くの熱狂的なファン・サポーターがいた。時には厳しく、時には愛に溢れたサポートが選手たちのパワーになることは経験からよく理解している。

 欧州では9月からすでにUEFAネーションズリーグが開催されるなど、各国代表の活動も元どおり行われるようになってきている。新型コロナウイルスの脅威を遠ざけながら安心・安全に開催できるという実績を積み重ねていくことが、スタジアムに観客の熱狂を取り戻すための唯一の方法だ。

「プロトコルやルールを重視しながら、いまのところはできることをやっていかなければいけないと感じています。我々選手がそういった(新型コロナウイルスの)感染者になることは、様々なところに迷惑がかかることにもなりますし、私生活でも特に気を遣って、(感染症対策に)意識を向けなければいけないなというのは、この半年間思ってやってきました」

 半ば強制的に自分の体調をより厳しく管理するようになり、私生活でも様々なことに気を配ってきたことは「自分のコンディション管理の部分にいろいろな気づきをもたらした部分もある」と柴崎は言う。

 そして「自分自身の体調管理にこれまで以上にポジティブに働いているかなというのは、1つ発見だった」と、新型コロナ禍での新しい生活様式への適応に手応えも感じているようだ。

 今回の日本代表の2連戦は、柴崎の言う通り新型コロナウイルスとともに歩んでいかなければならない世界に、サッカー界が進歩し、模範となっていく姿を示す絶好の機会になる。少しでも元どおりの日常を取り戻すための戦いの一環でもあるのだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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