日本代表、整理された守備の狙いとは? 2年前のワールドカップの宿題にようやく手を付けた【西部の目】

日本代表は現地時間13日、コートジボワール代表と親善試合を行い、1-0で勝利を収めた。カメルーン代表とコートジボワール代表をなぜ無失点に抑えることができたのか? カメルーン戦から変化が生まれ、ロシアワールドカップから続く課題には改善の兆しが見えている。(文:西部謙司)

2020年10月14日(Wed)9時50分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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W杯を見据えた守備

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【写真:Getty Images】

 カメルーン戦と比べると、チームとしてどうプレーすべきかで曖昧さがなくなっていた。

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 守備では3-4-3でビルドアップするコートジボワール代表に対して、ハーフスペースのボールホルダーに伊東純也、久保建英が自分の外側にいるサイドハーフへのパスコースを切る形で対応。サイドバック、センターバックも1人で相手2人を見ながら絞り込む形。ゾーンを保ちながら、さほど引き込まずに守れていた。カメルーン戦では同じ3-4-3のビルドアップに対して曖昧だったところが整理されていた。引かされたときも、クロスボールを跳ね返していて安定感があった。

 今回の欧州遠征の2試合は、ワールドカップでグループ2位争いをする(シードではない)相手との試合をイメージできる内容になっていた。つまり、日本がボールを支配するような展開ではなく、非常に均衡した流れである。そうした試合では、守備の安定がまず求められる。

 ロシアワールドカップでの日本の特徴だった4-4-2による素早いブロック形成と、サイドに追い込んだら複数で出口を封鎖するハードワークは、僅差勝負の土台になる。今回の2試合ではその守備の確認から始めていると思われる。危ない場面もあったとはいえ2試合を完封できたのは良かった。コートジボワール戦では守り方も明確になっていた。

 室屋成が攻守にアグレッシブなプレーを見せていた。キックの強さがあり、斜め前方へスパッと入れるパスコースを持っている。右サイドは酒井宏樹と室屋のどちらでも計算は立つ。一方、左の人選は不確定だった。中山雄太が奮闘してユーティリテイー性を見せたが、このポジションが本職ではない。

 南野拓実のサイドハーフも長い時間ではないが試せた。4-4-2の場合、サイドハーフの守備におけるハードワークと強度は生命線になる。攻撃のタレントには困っていないポジションだが、ワールドカップを考えると守備力が必須だ。すでにザルツブルク時代に経験もあり、南野は問題なくこなしていた。

ビルドアップの宿題に着手

 攻撃面の変化としてはGKシュミット・ダニエルの起用がある。GKも含めたビルドアップでボールを確保し、流れを変えるプレーの必要性は、ロシアワールドカップでのベルギー戦終盤からも明らかだった。しかし、これまでこの部分の改善は見られなかった。今回は足下の上手いシュミットを起用し、ようやく2年前の宿題に手を付けたわけだ。

 コートジボワール代表がそこまでハイプレスをしてこなかったこともあって、日本のビルドアップはスムーズだった。シュミットのフィードも正確で危なげなかった。今回はその必要がなかったとはいえ、もう少しポジショニングを変化させてのビルドアップも採り入れていくことになるだろう。

 チャンスメークは伊東、久保からのクロスボールがメインだったが、サイドから1つ内側の奥のスペースを狙おうという意図も見られた。ワールドクラスのストライカーを持たない日本にとって、「チャンスは作れた」という程度ではやや足りない。決定力が高くない以上、チャンスの数と質を上げなければならず、その点で物足りなさは残った。

 鎌田大地はクリエイティブなプレーを随所に見せ、トップ下の有力候補になった。もう1人のクリエイティブ担当ともいえる久保もそうだが、サイドハーフでの起用は難しいので、どちらかをトップ下で起用した場合に南野をどこに置くかということになる。

 南野が久保に代わって登場すると、日本のプレスは鋭さを増し、ハーフカウンターの可能性が増している。73分からは南野をセンターフォワードに移した。得点力を考えるとサイドハーフよりセンターフォワードかもしれないが、後方のビルドアップ次第だろう。トップに浮き球のロングボールを蹴らずに運べるなら可能性が出てくるが、そうでないなら大迫、鈴木のようにある程度サイズのあるセンターフォワードのほうがいいかもしれない。

 欧州でコンディションの良い相手と試合をやれた意義は大きかった。できれば今後もこうしたマッチメークをしていくべきだ。

(文:西部謙司)

【了】

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