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Jリーグ村井満チェアマン、相次ぐ不祥事に猛省「我々の存在が社会の迷惑なら、存在する意味がない」

text by 編集部 photo by Getty Images

村井満
【写真:Getty Images】

 Jリーグは2日、第10回実行委員会の終了後にオンラインでメディアブリーフィングを実施した。

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 その冒頭で村井満チェアマンが、Jリーグで相次ぐ不祥事に言及した。

 特にガンバ大阪のFWアデミウソンが酒気帯び状態で自家用車を運転中に接触事故を起こし、そのまま練習に向かった事例について、全クラブの実行委員に対し「1人の選手、1つのクラブがリーグ全体、すべてのクラブの努力を水泡に帰してしまうくらい大きな、社会的に背任する行為だったと考えている旨をお伝えしました」と述べた。

 そして「Jリーグは理念の中で豊かなスポーツ文化を振興していこう、もしくは国民の心身の発達に寄与していこう、地域単位で世の中に役に立っていこうということで、27年間歩みを続けてきましたけど、もし我々が存在することが社会の迷惑になるような状況であれば、Jリーグそのものの存在する意味がないということも含めて、再度全クラブと意識合わせをしたつもりです」と、改めてJリーグの理念に真摯に向き合っていくことの重要性を強調した。

 アデミウソンの一件だけではない。最近ではアルビレックス新潟でもブラジル人FWファビオとスペイン人FWペドロ・マンジーが飲酒運転によって警察に検挙され、契約解除に至っている。

 ベガルタ仙台でもMF道渕諒平が、交際相手に暴力を振るうなどし、クラブ風紀や秩序を乱したとして契約解除となった。複数クラブでコンプライアンス関連事案が発生していることに対し、村井チェアマンは「一番の責任は私自身に…」と猛省していた。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための対策や、各クラブの財務面への対応に追われ、そして再開後のJリーグで過密日程をこなしていく中で「本来もっと前にある大事なものを忘れてしまったのではないか」「サッカーをこなしていくことに意識がいきがちだったのではないか」と村井チェアマンは述べる。

「何のためにサッカーをやっているのか、何のためにクラブが存在しているのか、本当に地域のためになるために前提意識がいろいろなところで、視点がぶれていたのではないかと思います。一番の責任は私自身にやはりそういうところがあったのではないかと。

連日、新型コロナウイルスの対応をしていて、仕事をしている間は意識がいっていたけれども、こういう時こそしっかり足元を見つめるように、私の方から号令をかけるべきだったのではないかと深く反省している次第でございます」

 Jリーグやサッカー界に対する信頼が失墜しかねない現状を、いかにしてプラスの方向に変えていけるか。常に危機感を持ちつつ、改めてファン・サポーターも含め関係者全員がJリーグの存在意義を肝に命じて行動していかなければならないだろう。

【了】

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