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森保一監督が明かす日本代表海外組招集の裏側「約50人見ている」「ブラジルにも選手がいる」

text by 編集部 photo by Getty Images

森保一
【写真:Getty Images】

 日本代表は13日のパナマ代表戦と17日のメキシコ代表戦に向けて、9日からオーストリアで合宿を開始する。

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 初日となる9日には森保一監督がオンラインでの取材に応じ、現地の状況や代表活動に臨むにあたっての心境などについて語った。

 その中で興味深かったのは、海外組を招集するためのスカウティングについてだ。

 世界中で新型コロナウイルスの感染が拡大した今年は、特にスタジアムに足を運んでの視察が国内外問わずこれまで以上に厳しくなっている。それに加えて日本政府による渡航制限や帰国後の検疫などの影響もあって、国内組の招集が難しいのが現状だ。

 約1年ぶりに活動を再開した日本代表は、10月も11月も海外組のみの招集で、合宿拠点を欧州に置くことになった。では、森保監督は招集メンバーを決めるためのスカウティングをいかにして行い、どれくらいの選手が候補として挙がっているのだろうか。

「海外組だけで約50人くらいの情報を持っていて、その選手たちの毎節の出場状況も情報として拾っています」

 さらに監督も含めてスタッフ総出で手分けをし、候補となる選手たちのプレーを映像で確認しているという。「世界の映像をほぼ入手できますので、全てとは言い切れないかもしれないですけど、ほぼ確認できていると思っています」と、必要な情報の取得や確認をもれなくできているようだ。

 そして森保監督は「中東もいたりアメリカにもいますし、ブラジルにも選手がいますし、そういうのも含めて映像では全世界を確認できるので、楽しく見させてもらっています」と明かした。

 現状では欧州でプレーする選手のみの招集となっているが、他地域でプレーする選手にも日本代表入りの可能性は十分にある。「中東」ならUAEでプレーする塩谷司やカタールへ移籍した小林祐希、「アメリカ」はFCシンシナティの久保裕也やトロントFCの遠藤翼なども視野に入っているということだろう。

「ブラジル」は東京五輪出場を目指すと宣言している本田圭佑のことを指しているはず。すでにA代表からの引退を表明しているが、ボタフォゴでプレーしているベテランにも五輪出場の夢を叶えるチャンスが残されていると考えてよさそうだ。

「(映像は)できるだけ等倍速で見るようにしていて、アウトオブプレーは飛ばしながら見ています。多い時は、ちょうどオランダから帰ってから、数えたら(1日で)10試合見ていた時もありますけど、ただ試合は選手の出場時間によっても変わります。

90分出ている選手たちは、90分間、アウトオブプレーを飛ばしながら見たりして、途中出場の選手はその時間だけ見るとか、流れがちょっとわからず見ているところもありますけど、選手たちが実際にピッチに立っているプレーはできるだけ確認しようということで試合を見させてもらっています。なので、いつの試合かもうわからなくなってきたりとか、そういうのはあります(笑)」

 森保監督は笑顔を交えながら海外組スカウティングの裏側について明かしてくれた。10月から11月にかけて日本代表メンバーの入れ替わりはそれほど多くなかったが、パナマ戦とメキシコ戦に向けた招集リストには辞退した選手も含めて25人が載った。海外組だけで候補はこの倍近くいることになる。

 オーストリアでプレーする奥川雅也のような初招集の選手もいるだけに、今後もこれまで招集のなかった新戦力に声がかかることは十分にありうるだろう。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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