日本代表の敗因は決定力不足だけでなく…。改めて露呈した変化への弱さ、後半が劣勢になった原因とは【西部の目】

日本代表は現地時間17日、国際親善試合でメキシコ代表と対戦し、0-2で敗北を喫した。後半に2点を喫して敗れたものの、ワールドカップで6大会連続してベスト16入りしている強豪国を相手に、前半は互角に渡り合っている。共通点の多いメキシコ代表との試合で見えた日本代表の収穫と課題を考える。(文:西部謙司)

2020年11月18日(Wed)10時03分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo JFA
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敗因は決定力不足だけではなく…

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【写真:日本サッカー協会】

 ポゼッションとハイプレス、機敏性とテクニック。似た者同士の試合で、前半の日本代表は互角に戦っていた。チャンスは日本代表のほうが多く、決めきれなかったのは事実だが、それが主な敗因ではない。

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 後半、メキシコはMFの組み方を変え、左右のウイングを入れ替え、一気に流れを引き寄せている。ウイングの入れ替えは酒井宏樹を回避したのか、中山雄太を狙ったのかは定かでないが、ドリブルを使って仕掛ける意図は明確だった。

 余談だが、メキシコとの対戦ではいつもドリブルを使われて流れを変えられている印象がある。パスワークだけだと日本代表の守備は崩れないが、ドリブルを使えば見た目ほど盤石ではないと気づいてから攻め手を変えてくる。

 メキシコのビルドアップにおける3枚回しに対して、日本代表は2人で対応。サイドへボールを吐かせてからプレスという手順だった。前半はそれで問題なかったが、サイドまではパスが入るので後半からメキシコはドリブルを使ってきた。サイドで剥がされるようになってDFが下がり、コンパクトさを失うと、今度はMFとDFの間へつないできた。メキシコが1枚上手だった。

 日本代表のボールになってもミスがあって押し返す展開にならず、一方的に押し込まれる。日本代表のゴール前での際どい場面も続く。ラウール・ヒメネスのゴールは技ありだったが、試合の流れからすれば必然的ではあった。違う言い方をすると、日本代表は我慢の時間帯をしのげなかった。

 2点目は南野拓実にプレスをかけて奪い、トップにつけてスルーパスというハーフカウンター。日本代表がやりたかったことをそのままやられた。

 メキシコはワールドカップでベスト16の常連だ。ベスト8の壁はなかなか破れないが、強豪とはいえないまでもベスト8相当の実力国である。日本代表と似たプレースタイルだが力は1枚上。それがそのまま表れた後半だった。

W杯でも十分戦える仕様

 前半のプレーは非常に良かった。GKシュミット・ダニエルを経由させたビルドアップは、日本代表の課題だったが機能していた。鈴木武蔵も前線でボールを収めていた。

 原口元気と伊東純也は幅をとり、裏を狙い、よくボールを引き出していた。メキシコのDFを動かせていたので、逆をつく選択肢もあった。

 ポゼッションはメキシコだったが日本代表の守備に崩れはなく、逆に3つの決定機を作った。12分に柴崎岳→原口とつないで鈴木がGKと1対1になったチャンスが惜しかった。鈴木はGKの逆をつくシュートを放ったが、GKオチョアの右足が残っていて弾かれている。

 前半に得点できなかったのも課題だが、前半からメキシコのボールをなかなか奪えなかった。鎌田大地と鈴木が3人のパス回しを制御してサイドでプレスという形しかなく、前半で見切られた感はある。3人目としてサイドハーフを押し出すプレスがあれば、メキシコの判断に多少の影響は与えられたかもしれない。

 ただ、前半の日本代表のプレーぶりはワールドカップでの接戦仕様に見合ったものだった。後半に相手の変化に対する脆弱性、逆に自分たちが変化を仕掛ける創造性という課題を改めて突き付けられたわけだが、ベースの部分ではワールドカップで十分戦えるものは見せた。

(文:西部謙司)

【了】

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