デ・ヘアはもう限界? 再燃するマンUの正守護神問題、ミス連発&3失点のエバートン戦に非難轟々【分析コラム】

現地6日にプレミアリーグ第23節が行われ、マンチェスター・ユナイテッドとエバートンは3-3で引き分けた。最終盤までユナイテッドがリードしていながら、後半アディショナルタイムのラストプレーでまさかの失点。ホームで勝ち点2を取りこぼす結果を受けて、ゴールを守っていたGKダビド・デ・ヘアに非難が集中している。(文:舩木渉)

2021年02月07日(Sun)14時09分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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後半AT95分、まさかの失点

ダビド・デ・ヘア
【写真:Getty Images】

 マンチェスター・ユナイテッドは、ラストプレーで勝ち点2を取りこぼした。

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 現地6日に行われたプレミアリーグ第23節のエバートン戦は、3-3のドローに終わった。後半アディショナルタイムの95分にドミニク・キャルバート=ルーウィンが、ユナイテッドを失意のどん底に叩き落とすゴールを決めて試合を締めくくった。

 94分までリードしていながら、勝利目前でまさかのドロー。ゴール前でキャルバート=ルーウィンに抜け出しを許してしまったディフェンス陣が悪かったのか? ファウルを犯してフリーキックを与えてしまったアクセル・トゥアンゼベが悪かったのか? いや、トゥアンゼベを中途半端なポジションで守備固めに起用したオーレ・グンナー・スールシャール監督が悪いのか? ポール・ポグバが負傷退場した時点で何かが始まっていたのか?

 最後の失点の原因がどこにあったのかを探すのは、無限にできてしまいそうだ。ただ、試合全体の流れを考えると、終盤の采配や選手個々のプレー判断のみが結果に影響したわけではなさそうに見えてくる。

 そもそも試合の主導権を握っていたのはユナイテッドだった。マーカス・ラッシュフォードの絶妙なクロスにエディンソン・カバーニが合わせて24分に先制。45分にはブルーノ・フェルナンデスが芸術的なミドルシュートで芸術的な追加点を奪った。

 後半に入って52分までに追いつかれてしまったが、70分にスコット・マクトミネイのゴールで再びリード。最終盤までユナイテッドが優位に立っていた。シュート数でも14対6、ボール支配率でも62対38でユナイテッドが上回っていた。

 だが、結果はドローだ。エバートンは枠内シュートわずか3本で3ゴールを決め、アウェイで勝ち点1をもぎ取った。ゴールの枠内に飛んだシュートが全て得点になっている。GKダビド・デ・ヘアはピンチの場面で無力だった。

指揮官は個人への非難を避けたが…

 49分の1失点目の場面、キャルバート=ルーウィンの折り返しに触ったデ・ヘアはキャッチせず弾いてしまった。ボールはゴール目の前の危険な位置にこぼれ、アブドゥライェ・ドゥクレに詰められてしまった。52分の2失点目の場面では、ハメス・ロドリゲスのシュートに触りながらコースを変えられず。

 そして95分の3失点目の場面では、飛び出しが甘かった。リュカ・ディーニュの蹴ったフリーキックをマイケル・キーンが頭で逸らすと、ボールはゴール前へ。ディフェンスをかいくぐってきたキャルバート=ルーウィンと1対1になったデ・ヘアは、中途半端な飛び出しでストライカーのシュートコースや判断を限定できなかった。

 ユナイテッドのOBで英『スカイ・スポーツ』の解説を務めるガリー・ネビルは「GKにはストライカーを食べてもらいたい」と独特の表現で飛び出しの重要性を訴えた。

 ネビルとともに出演していたジェイミー・レドナップも、「GKとしてデ・ヘアは飛び出してきて、全て奪わなければならない。そして勇敢で、状況を正しく評価しなければならないんだ」とユナイテッドのゴールマウスを守りきれなかった守護神の不甲斐なさを指摘した。

 一時はプレミアリーグ首位に立ったユナイテッドだが、最近は足踏みが続いている。開始1分半で相手に退場者が出た前節のサウサンプトン戦は9-0で勝利したものの、直近の4試合で1勝2分1敗と苦しい戦いが続く。そのうえでデ・ヘアの不甲斐ないパフォーマンスである。

 スールシャール監督は「失点の場面で誰も責めるつもりはない」とデ・ヘア個人のみを非難することは避けたが、「全ての場面でチームとしてもっと上手くやれたと思う」と3失点ともに防げた可能性があったことを認めた。

ついにヘンダーソンにチャンス?

ダビド・デ・ヘア
【写真:Getty Images】

 GKはチームメイトやスタッフからの信頼が重要なポジションでもある。その信頼を勝ち取るにはピッチ上でのパフォーマンスだけでなくパーソナリティや、日々の地道な努力などが必要だが、失うのは一瞬。我々は確かな実力を持ちながら、信頼を勝ち取れず立場を失ったGKを数多く見てきたはずだ。

 例えばチェルシーのケパ・アリサバラガ、リバプールのロリス・カリウスやシモン・ミニョレ、マンチェスター・シティ時代のクラウディオ・ブラーボやジョー・ハートなど、敗戦に直結するミスを連発して出場機会を失ったGKは数限りなくいる。プレミアリーグの強豪でも常に正守護神の座をめぐる競争があり、信頼を失ったり、パフォーマンスのレベルが落ちれば、すぐ次の選手に入れ替わる。

 デ・ヘアに関しては10年近くかけて築いてきた実績も信頼もあるが、近年はパフォーマンス低下を指摘する声が絶えない。実際に公式戦で大きなミスを犯し、批判されることもしばしば。大舞台や勝敗に直結する場面での勝負弱さなども課題であり続けている。

 エバートン戦の3失点、とりわけ後半アディショナルタイムの3失点目の場面で見せたプレーが決定打になるだろうか。ベンチにはイングランド代表にも選ばれているディーン・ヘンダーソンが控えており、デ・ヘアに辛抱するのはもう限界だと、スールシャール監督が起用法の変更を決断してもおかしくない。

 ヘンダーソンは現地9日に行われるFAカップ5回戦のウェストハム戦で先発の機会を与えられるはずだ。そこで好パフォーマンスを披露し、チームを勝利に導ければ正守護神が入れ替わる可能性は十分にあるだろう。

 指揮官は「我々はまだタイトルを争っていると考えるべきではない」と釘を刺したが、安定した正守護神がゴールマウスを守ることになれば考え方が変わるかもしれない。オールド・トラフォードでの3失点はデ・ヘアの将来にどんな影響をもたらすか、今後の動きに注目だ。

(文:舩木渉)

【了】

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