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背番号15に「依存」していると言うが…では、“ネクスト大迫勇也”の資質を持つのは誰なのか。その結論は…

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

大迫勇也
【写真:田中伸弥】

【日本 14-0 モンゴル カタールワールドカップ・アジア2次予選】

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 森保一監督率いる日本代表は30日、カタールワールドカップ・アジア2次予選でモンゴル代表と対戦し、14-0という歴史的大勝を収めた。

 この試合では各選手が輝きを放ったが、とくに目立った結果を残したのは不動のセンターフォワード大迫勇也だ。前半に華麗なターンから1点目を挙げると、後半に入り2点を追加。アシストも記録するなど、3得点1アシストという素晴らしい成績を残してスタジアムを後にしている。

 4-2-3-1というベースシステムの中で、日本の強みは南野拓実、鎌田大地、伊東純也らを揃える2列目となっている。そんな彼らの能力を引き出す上で、主役にも脇役にもなれる大迫の存在は欠かせない。それは、25日の韓国代表戦、そして今回のモンゴル代表戦で改めて明確となった。

 大迫が活躍すると良く目にするのは「大迫依存」というワード。そして背番号15に頼り過ぎているという声をよく聞く。では、そんな「依存問題」を解決し得る“ネクスト大迫”の資質を持つ選手は誰なのか。

 森保ジャパンでよく声をかけられるFWは鈴木武蔵だ。ただ同選手はポストプレーというよりもより速さを駆使してゴールに向かうプレーを好むので、タイプが違う。浅野拓磨は裏へ抜け出すスピードが持ち味だが、引いた相手に対しワントップとして実力を出せるかは微妙なところ。ベルギーで活躍する鈴木優磨も周りを活かすというより自分でやり切ってこそ怖さを出せる存在だ。南野や鎌田も2列目の方が厄介な選手となる。

 東京五輪世代に目を向けると、上田綺世、前田大然、田川亨介、林大地、小川航基などが揃う。しかし、全員効果的に2列目を活かせるタイプかと言えばそうではない。大迫と同じような役割を担えば完全に消えてしまうだろう。

 FWというポジションでプレーする選手は数多くいるが、4-2-3-1というシステムを基本とする森保ジャパンにおいて、最前線の大迫ができることは大迫にしかできない。それほど背番号15の質は高い。結論、ネクスト大迫の資質を持つ選手はいないので、よく言及される「大迫依存」はある意味必然と言える。

 日本代表はフランス代表と似ている。現ワールドカップ王者も基本システムは4-2-3-1で、2列目のキリアン・ムバッペやアントワーヌ・グリーズマンらを活かすため最前線にはオリビエ・ジルーが君臨する。レ・ブルーはタレントが豊富だが、ワントップのジルーという存在はかなり大きくほぼ不動。それは大迫とも共通するが、彼にしかできない仕事があるからだ。

 ただ、フランス代表はアントニー・マルシャルとムバッペをツートップにしたり、キングスレー・コマンを最前線の一角に入れたりと複数のオプションを試している。人材がいるからこそできることだが、そこは日本代表との大きな違いだ。「大迫依存」は仕方ない部分があるが、違った効果をもたらすことができるFWの台頭はやはり急務と言えるのかもしれない。

【了】

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