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マンU、スールシャールは実に弱気だった。エメリの打つ手を上回れず、ジェンガの如く崩れた今季の結末【EL分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ヨーロッパリーグ(EL)決勝戦、ビジャレアル対マンチェスター・ユナイテッドが現地時間26日に行われ、PK戦の末ビジャレアルが王者に輝いている。ユナイテッドはこれで今季無冠が確定。オーレ・グンナー・スールシャール監督とウナイ・エメリ監督の差が出てしまった。(文:小澤祐作)

結局は無冠に終わる

マンチェスター・ユナイテッド
【写真:Getty Images】

 サッカー界に限らず、この世界では常に「結果」の二文字が求められる。結果を出す人は高い評価を得ることができ、反対に結果を出せない人はどんどんと評価を落としていく。最後にわかりやすい結果が出なければ、どんなにそこまでの道のりが良かったとしても、その価値は薄れてしまうのである。

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 そういった意味で、マンチェスター・ユナイテッドの今シーズンは「失敗」に終わったと言わざるを得ない。

 プレミアリーグでは序盤躓いたものの以降は立て直し、最終的に2位フィニッシュ。他チームよりも一足早く来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権を得ることができていた。同じ都市のライバル、マンチェスター・シティの力を考えても、2位はまだ最低限の成績だったと言える。

 しかし、CLではグループリーグ突破に近づきながら最後に勝負弱さを露呈し、結果的にパリ・サンジェルマン(PSG)とRBライプツィヒを下回りグループ3位で敗退。国内カップ戦では決勝にすらたどり着けなかった。

 そして、CLをグループ3位で終えたことで参戦したヨーロッパリーグ(EL)。レアル・ソシエダ、グラナダ、ミラン、ローマと曲者を撃破しファイナルの舞台にやって来たが、PK戦の末ビジャレアルに負けた。結局、ユナイテッドはこれで今季無冠が確定。最後にタイトルを獲得したのは、2016/17シーズンである。

 オーレ・グンナー・スールシャール監督への評価は分かれるだろう。プレミアリーグ2季連続のトップ4入りはサー・アレックス・ファーガソン退任後初のことで、同リーグ6敗は過去5シーズンで2番目に良い成績である。そして、クラブOBであるスールシャールは、モチベーターとしても定評がある。これらを認める人がいないとは言い切れない。

 ただ、イングランドの名門マンチェスター・ユナイテッドというクラブには、常にタイトルが求められている。スールシャール監督は、過去数年の指導者と同じく、そのミッションを未だ達成することができていない。ここは見逃せないポイントだ。もちろん、即解任ということはないと思うが、今後も彼に指揮を任せてタイトルを獲れるかは、少々疑問である。それは、ビジャレアルとの戦いぶりからも明らかだった。

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