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サッカー史上最高! イタリア伝説の5チーム。無敵のユベントスにタイトル総なめのインテル…00年代を彩ったのは?

シリーズ:00年代を彩った伝説の5チーム text by 編集部 photo by Getty Images

ローマ(2006/07シーズン)

ローマ
2006/07チャンピオンズリーグ・ベスト16、2ndレグ、リヨン戦スターティングメンバー



ローマ
2006/07シーズン成績
・セリエA:2位(勝ち点75/22勝9分7敗)
・コッパ・イタリア:優勝
・チャンピオンズリーグ:ベスト8
監督:ルチアーノ・スパレッティ
スタイル:ポゼッション

2006/07チャンピオンズリーグ・ベスト16、2ndレグ、リヨン戦スターティングメンバー
GK:ドニ
DF:マルコ・カッセッティ、フィリップ・メクセス、クリスティアン・キヴ、マックス・トネット
MF:ダニエレ・デ・ロッシ、ダビド・ピサーロ、ロドリゴ・タッデイ、シモーネ・ペッロッタ、アレッサンドロ・マンシーニ
FW:フランチェスコ・トッティ

 タイトルを総なめとしたわけではなかったが、ルチアーノ・スパレッティ監督に率いられたローマは間違いなく記憶に残るチームだった。

 スキンヘッドの指揮官は今でいう「ゼロトップシステム」をチームに植え込んだ。最前線に起用したのはフランチェスコ・トッティ。それまで攻撃的MFとしてサポーターに歓喜を届け続けた「王様」は、巧みな技術を駆使し中盤に下がって組み立てに関与しながら、最後の局面ではフィニッシャーに。9番と10番を同時にこなす驚異の仕事ぶりで、攻撃のグレードを大幅にアップさせていた。

 2列目のアレッサンドロ・マンシーニやロドリゴ・タッデイ、シモーネ・ペッロッタは機動力を活かしてスペースへのランニングを繰り返し、トッティからのパスを呼び込んだ。とくにトップ下のペッロッタは圧倒的なスキルを持っていたわけではなかったが、周囲とうまく絡みながらチャンスを演出。とにかく運動量が豊富で守備にも奔走するなど、トッティ同様見事な働きぶりをみせていた。

 中盤底のダニエレ・デ・ロッシとダビド・ピサーロは、中盤に下がるトッティをサポートしながら繊細なパスで確実に2列目の選手を活かし、隙を見た飛び出しでも存在感を誇示。最終ラインではクリスティアン・キヴとフィリップ・メクセスが高連係を披露し守備を引き締め、両サイドバックも着実に仕事をこなし続けている。誰も止められないほど圧倒的な強さを誇ったわけではないが、ローマはチームとしてよく機能し、実に魅力的だった。

 トッティの最前線起用がハマったローマは、チャンピオンズリーグ(CL)・ベスト16でリヨンを完封。準々決勝ではマンチェスター・ユナイテッドと対戦し、第2戦目にまさかの7失点大敗を喫したものの、2-1で勝利した第1戦での戦いぶりは賞賛に値するものだった。

 今でこそよく目にするようになった「ゼロトップシステム」だが、当時としては稀で、スパレッティ監督は一つの革命を起こしたと言える。ローマが与えたインパクトは、それほど大きかった。

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