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サッカー史上最高! イタリア伝説の5チーム。無敵のユベントスにタイトル総なめのインテル…00年代を彩ったのは?

シリーズ:00年代を彩った伝説の5チーム text by 編集部 photo by Getty Images

ミラン(2006/07シーズン)

ミラン
2006/07チャンピオンズリーグ決勝 リバプール戦スターティングメンバー



ミラン
2006/07シーズン成績
・セリエA:4位(19勝12分7敗)
・コッパ・イタリア:ベスト4
・チャンピオンズリーグ:優勝
監督:カルロ・アンチェロッティ
スタイル:カウンター

2006/07チャンピオンズリーグ決勝 リバプール戦スターティングメンバー
GK:ジダ
DF:マッシモ・オッド、アレッサンドロ・ネスタ、パオロ・マルディーニ、マレク・ヤンクロフスキ
MF:アンドレア・ピルロ、ジェンナーロ・ガットゥーゾ、マッシモ・アンブロジーニ、カカ、クラレンス・セードルフ
FW:フィリッポ・インザーギ

 名将カルロ・アンチェロッティに率いられたミランは魅力に溢れていた。

 イタリア屈指の名門は、4-3-2-1のクリスマスツリー型をベースとしている。

 中盤底には世界最高クラスのパススキルを持っていたアンドレア・ピルロが起用され、攻撃の組み立てやカウンターの起点になり続けた。そして、フィジカルなどに長けているわけではないピルロの脇をジェンナーロ・ガットゥーゾとマッシモ・アンブロジーニが固めることで、中盤の強度を高いレベルに保つ。ピルロがこのポジションで活きたのは、献身的に働く両脇の存在があったからこそと言える。

 シャドーには攻守で幅広く貢献できる万能型クラレンス・セードルフが使われている。そしてもう一枚はカカ。ブラジル人MFの非凡なスピードを活かした突破や抜け出しは、とくにカウンター時大きな脅威となっていた。そして、フィリッポ・インザーギは相手ディフェンス陣の背後を虎視眈々と狙い、常にDFの注意を引き付けている。

 守備ではアレッサンドロ・ネスタとパオロ・マルディーニという世界最高のDFが、相手攻撃陣の戦意を確実に削ぎ落とす。マッシモ・オッドとマレク・ヤンクロフスキは他の選手に比べると地味だが、攻守に献身的に働いた。

 この時ミランの主力を張った選手はほとんどが30代近く。フレッシュさという意味では欠けていたが、長年ともにプレーし、経験値もある彼らだからこそ、これほど魅力的な強さを発揮することができていた。チャンピオンズリーグ(CL)でリバプールにリベンジし優勝したのも、イスタンブールの悲劇を味わった者がほとんど残っていたからこそと言えるかもしれない。

 クリスマスツリー型をベースにCLを制覇したミランはとにかく強く、そして他にはない格好良さがあった。

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