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日本代表 3年前

久保建英、堂安律らが見せる「欧州のロジックにはない」攻撃とは? ようやくでき始めたU-24日本代表の骨格【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

三笘薫は魅力的。田中碧は無双モード

 6点目は三笘薫。J1のスーパースターが爪痕を残す。U-24アルゼンチン代表との強化試合では、序盤にボールを失っていた。そのために国際試合での経験不足を指摘され、確かにそのとおりなのだが途中から修正はできていた。

 自分の間合いを作って手筋にはめていく抜き方なのだが、アルゼンチンのDFは間合いの中へずけずけと入ってきた。彼らはボールを逃しても体を止めればいい、べつにファウルでもいいという割り切った守り方をする。三笘はその相性の悪さに手こずっていた。ただ、わかってしまえば難しくはない。慣れの問題であり、2戦目にはどの選手も対処できていた。2戦目でプレーしていれば三笘も同じだったと思う。

 ガーナ戦ではJ1のときの三笘だった。ミスもあったが、J1でもそれは同じ。ペナルティーエリアの中へ入っていける能力は魅力的だ。

 遠藤航はやはり圧巻。寄せていったら必ず何かする。奪えるし、奪えなくてもかすかにボールに触って相手のプレーを妨害する。ボールホルダーのブラインドから襲い掛かるプレスバックが効果的なのは、相手の前面に立ち塞がるのが遠藤という理由もあるだろう。

 田中碧はアルゼンチン戦で見せた無双モードだった。このまま遠藤とのコンビネーションが熟成されていけば、そのままA代表に転用という可能性もあり、A代表のボランチ候補は安閑としていられない。

 チームとしての戦い方も整理されていた。五輪はそれほど完成度の高いチームはないはずで、U-24日本代表もオーバーエイジが入ってようやく骨格ができはじめたところだが、それでもこれぐらいの完成度なら十分やれそうだ。個々のレベルも高い。開催国でもあり、メダル獲得のチャンスはあるだろう。

(文:西部謙司)

【了】

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