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日本代表 3年前

久保建英、堂安律らが見せる「欧州のロジックにはない」攻撃とは? ようやくでき始めたU-24日本代表の骨格【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

欧州のロジックにはない攻撃

 25分、久保が堂安とのワンツーで抜け出してシュート、バーに当たって入らなかったが、この2人らしいコンビネーションだった。狭い場所へ入って行って、相手がこれ以上狭く守れないところをすり抜けていく。堂安と久保はU-20日本代表のときにすでにこのコンビネーションを見せていた。三好康児も合わせた3人には独特のフィーリングがある。即興的で、ある意味日本的だ。

 こうした狭小攻撃は日本代表の歴史の中でたびたび見られる「日本らしさ」である。歴代の外国人監督の中にはこれを嫌った人もいるし、活用しようとした人もいる。ヨーロッパのロジックにはない攻撃なのでメインに据えようとした人はいないが、日本人監督の場合は少なくとも抑制や禁止はしないので、これがどういう効果を発揮するかは興味深い。

 後半に入っての4点目はヨーロッパ的な、教科書どおりの崩し方。吉田から縦にスパッとパスが出て、中間ポジションの堂安が収める。ガーナの守備バランスが崩れたところで相馬勇紀が裏へ飛び出し、パスを受けてゴール。

 さらに中山雄太のクロスを上田が決めて5-0。上田はマークの外し方、そのタイミングが素晴らしく、パサーの多いこのチームではカギを握る存在になりそうだ。まだほしいときにもらえているわけではないが、上田が常に良いポジションをとれることを周囲はわかっているので、合ってくればさらに決定機は増えるはずだ。

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