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森保監督、オナイウ阿道の成長を絶賛。1年半越しの日本代表デビュー…過去との「違い」とは?

text by 編集部 photo by Getty Images

オナイウ阿道
【写真:Getty Images】


 日本代表は11日、キリンチャレンジカップ2021でセルビア代表と対戦し1-0の勝利を収めた。

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 前半は攻撃が停滞していたことを受け、日本は後半から2人の選手を投入。そこでFWオナイウ阿道が日本代表デビューを果たした。

 2019年11月にA代表初招集を受けたオナイウだったが、その時は出番なし。今回はFW大迫勇也の負傷離脱にともなう追加招集という立場だったが、短い時間の中で森保一監督の信頼をつかみ約1年半越しのデビューを飾ることとなった。

 出場機会を与えられなかった初招集時と、追加招集だった今回とでは何が違ったのか。より厳しい立場だったにもかかわらず、途中出場でデビューさせる決断を下した森保監督は「違い」について次のように説明する。

「まずJ1の舞台で、しかもトップの方を走るチームで結果を出しているところが全く違うと思います」

 2019年は大分トリニータに所属し、J1リーグ戦で年間10得点を挙げた。一方、今季のオナイウは横浜F・マリノスの一員としてゴールを量産し、現時点ですでに10得点を達成。J1の得点ランキングでも3位につけ、日本人の最多得点者となっている。

「本人が結果をもって、そして所属クラブで存在感を発揮して、日本代表でプレーするチャンスをつかみ取ってくれたと思っています」

 オナイウ自身の成長が結果になってあらわれているからこそ、重要な場面での起用に踏み切れたのだろう。実際、後半の45分間で大迫の代役候補になりうる可能性は存分に示した。64分にはカウンターから、MF伊東純也のクロスに合わせてゴールネットを揺らした。

 不可解なオフサイド判定により“幻のゴール”となってしまったが、本来であれば終盤にかけて展開を大きく左右する重要な追加点をオナイウが決めたことになるはずだった。森保監督も大迫に代わって15番を背負って躍動したストライカーの働きぶりを称賛する。

「前半は攻撃の部分で、もう少し(前線に)収まったり、落ち着いて相手の嫌がることをできればと思っていたところ、(オナイウは)トップでボールを収めてくれたり、背後に出てくれたり、マリノスでもやっている守備の部分も、普段から彼がやっていることを代表の中でも自然と出してくれたのかなと思います」

 マリノスで見せてきたパフォーマンスが、日本代表レベルでも高く評価されている。「より高いレベルでプレーしていることを、今日のプレーをもって示してくれたかなと思います」という森保監督の賛辞からは、今後のさらなる出場機会増加の可能性が感じられた。

 国内組の星として、日本代表の競争に風穴を空けられるか。献身的なポストプレーやプレッシングの先鋒としての働き、フィニッシュ役としてのポテンシャル……A代表デビューのセルビア戦はオナイウにとって重要な転機になるかもしれない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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