オナイウ阿道
【写真:Getty Images】

 日本代表は11日、キリンチャレンジカップ2021でセルビア代表と対戦し1-0の勝利を収めた。

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 前半は5バックの5-4-1で守備ブロックを築くセルビアを崩しきれず、日本の攻撃は停滞気味だった。そこで森保一監督は後半開始からMF川辺駿とFWオナイウ阿道を投入。彼らの存在で試合の流れは大きく変わった。

 キャプテンマークを巻いていたDF長友佑都は「相手のインテンシティは、明らかに前半より落ちていましたし、その中で途中から出た選手だったりが、しっかりしたいいポジショニングで(ボールを)受けてくれたからこそ、やっぱりああいうゴールにもつながったと思う」と語った。

 日本は48分にセットプレーからMF伊東純也が先制ゴールを挙げた。不可解なオフサイド判定で認められなかったものの、64分にはカウンターから伊東のクロスにオナイウが合わせてゴールネットを揺らした。

 森保監督も「ただ守って1-0で勝てたわけではなく、耐えながらもしっかり攻撃につなげていくこと。幻のゴールとなってしまいましたけど、2点目を奪いにいくこと。リードして守りだけにならず2点目を奪いにいく姿勢を選手たちが示してくれたことはよかったと思います」と後半の選手たちのパフォーマンスを称えた。

 いい流れを引き寄せた立役者の1人が、「幻のゴール」を決めたオナイウだった。ポストプレーで前線に起点を作るだけでなく、相手のディフェンスラインの背後へ抜けるランニングや、積極的な守備のプレシングでも存在感を発揮。

 25歳のストライカーを日本代表デビューさせた森保監督も「トップでボールを収めてくれたり、背後に出てくれたり、マリノスでもやっている守備の部分も、普段から彼がやっていることを代表の中でも自然と出してくれたのかなと思います」と献身的な働きぶりを称えた。

 オナイウのプレーはチームメイトにも好印象を与えたようだ。長友は「オナイウもすごく体を張ってくれた」と語る。チーム全体を活性化させるプレーぶりはピッチ上でよく目立っていた。

「ああいう試合でポストプレーでタメを作ってくれるかどうかは、後ろの選手にとってはすごく助かるプレーといいますか、そういうプレーをFWのオナイウもしてくれていたので、すごくいいプレーだったかなと思います」

 日本代表でポストプレーといえば、FW大迫勇也の代名詞だ。今回、オナイウは大迫の負傷離脱にともなって追加招集され、A代表デビューを飾った。

 前線で体を張ってボールを収められる選手は貴重な存在。これまで代役不足が叫ばれてきた大迫の負担を軽減し、不在時や試合中の交代で前線の攻撃の形を維持するためのオプションにオナイウはうってつけかもしれない。

 森保監督は「所属クラブでの日常のトレーニングや試合で選手たちは伸びると思いますが、選手たちが成長するきっかけとなる刺激がこの代表での活動になると非常にうれしいです」とも語っていた。

 日本代表戦で体感したものを横浜F・マリノスに持ち帰って成長の糧とし、さらにプレーのクオリティや安定感を高めていければ、オナイウは大迫と前線でポジションを争えるようになるかもしれない。

 9月から始まるカタールワールドカップのアジア最終予選では、新型コロナウイルスの影響や、それにともなう招集制限、あるいは負傷者の発生などアクシデントに見舞われる可能性も十分にある。そうした不測の事態に備える意味でも、チャンスを生かして自らのアピールに成功したオナイウにかかる期待は大きい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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