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日本代表 3年前

Jリーグ組は日本代表の希望。オナイウ阿道や古橋亨梧らが持つメリット、本当の意味で底上げするには…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

存在感を示したJリーグ組



 後半に入ってからも、原口元気に代わって途中出場した古橋亨梧がチームを活性化。持ち前のスピードで相手を脅威に陥れる。彼と坂元がリスタートを蹴るシーンも多く、坂元は後半27分に右CKから佐々木翔の4点目をお膳立てし、目に見える結果をようやく残した。

 古橋の方も後半32分にセンターサークル内のターンから一気にドリブルで前線へ突進。浅野拓磨の5点目をアシストした。この時間帯は相手にも疲労があり、彼らのやりたいことができる状況になっていたが、「圧倒的な数字を残すしかない」と危機感を抱く2人にとってはいいアピールになった。

 終わってみれば5-1の勝利。7日のタジキスタン代表戦に続いて不用意なミスから格下相手に失点した点はいただけないが、代表定着を狙う国内組が持てる力を発揮し、ラスト20分間は3バックもテストするなど、収穫は少なくなかった。

 とりわけ、追加招集ながら3ゴールという結果を残し、ボールを収めて起点になる仕事も果たしたオナイウ、中盤でリズムを作り攻守両面で存在感を示した川辺、2列目全ポジションである程度の仕事ができるところを見せた古橋がキルギス戦では光った。ここまでの試合で最終ラインを安定化させた谷口彰悟も含め、最終予選で使えそうな戦力が見えてきたのは、6月シリーズのポジティブな要素と言っていい。

 しかしながら、殊勲のオナイウが「もっと質を上げないと相手のレベルが上がったら通用しなくなる。技術や判断、プレースピードをレベルアップしていかないといけない」と語った通り、今のままで先々の修羅場をくぐり抜けられる保証はない。最終予選になれば、韓国やオーストラリアはもちろんのこと、2019年アジアカップで苦戦を強いられたサウジアラビアやベトナムらも同組になる可能性がある。選手個々のレベルアップやチームとしての連係や完成度向上は必要不可欠だ。

 国内組は海外組に比べると、日常的にプレーする強度がやや低く、屈強な外国人選手と対峙する機会が少ない。そこは厳然たる事実だ。だからこそ、意識を高く持って取り組まないと差をつけられることになりかねない。

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