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日本代表 3年前

Jリーグ組は日本代表の希望。オナイウ阿道や古橋亨梧らが持つメリット、本当の意味で底上げするには…【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

Jリーグでプレーするメリットとは…



 とはいえ、欧州組であっても流動的な立場にいる者は少なくない。大迫や南野拓実、浅野らは去就問題の渦中にいるし、U-24日本代表の堂安律や久保建英も来季どんな環境でプレーすることになるのか決まっていない。原口のようにクラブでトップ下、代表でサイドという役割の違いに苦労する選手もいる。

 そんな面々に比べると、所属クラブで安定的にプレーしていて、中心的役割を担える国内組の方がいい状態を保ちやすい。実戦を通して着実に成長できるというメリットもある。オナイウや川辺らはその環境を最大限生かすべきだ。

 加えて言うと、コロナ禍が続く以上、欧州組が毎回最終予選に呼べる保証もない。国内組を中心としたチームで戦わなければいけない状況も起こり得る。今回、国内組7人先発というチームで戦ったことは、非常時のいいシミュレーションになったはず。森保監督も「誰が出てもチーム力を落とさず戦っていけることを多くの選手たちに感じてもらえた」と手ごたえを口にした。

 ただ、2次予選8試合で39人と幅広い面々を起用したことが先々につながらなければ意味がない。オナイウや川辺、谷口らが最終予選やカタールワールドカップ本大会の戦力に食い込んでこそ、本当の意味での「国内組の底上げ」が果たされる。

 2018年ロシアワールドカップでスタメン唯一の国内組だった昌子源が凄まじいプレッシャーを感じながら戦っていたが、海外組と国内組の実力差が小さくなれば、そんな重圧もなくなる。日常の環境を見ると難しい部分もあるが、キルギス戦で活躍した面々のパフォーマンスを見れば、「Jリーグ勢でも十分やれる」という希望も感じられた。その機運を高めるべく、彼らには成長の歩みを続けてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

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