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日本代表 3年前

U-24日本代表が見失ったものとは? 鈍るパスワーク、三笘薫の活かし方もいまひとつ【西部の目/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

ロングボールしかないNZ。流れが変わったのは…



 ニュージーランドの3バックのボール保持は放置しつつ、サイドでしっかりプレスをかける。あるいは、サイドハーフがDFへプレスしてサイドバックがサイドのプレスを受け持ち、全体を前へ上げた形でプレスする。どちらにしても相手はプレスされるとロングボールしかなく、吉田麻也と冨安健洋の力量からすればボールの回収は容易だった。

 ところが、49分にニュージーランドのCBウィンストン・リードが負傷交代して流れが変わった。代わりに入ったカラム・マッコワットはトップ下に入り、フォーメーションが4-1-3-2になる。これでU-24日本代表のプレスがハマらなくなった。寄せきるポイントが見えなくなり、ニュージーランドのペースになっている。

 原因がアクシデントとはいえ、日本代表はこうしたフォーメーション対応があまり上手くない。アジカカップ決勝のカタール戦や強化試合のメキシコ戦もそうだった。ただ、今回はさほど焦らずに一時的に撤退して傷口を最小限に抑えた。ニュージーランドも配置の優位性を生かすことができず、70分あたりからは再びU-24日本代表が攻め込む流れに戻っている。

 76分に橋岡大樹のクロスから旗手怜央がヘディングシュート、82分には堂安律のクロスを上田綺世が至近距離からシュートと2つの決定機を作る。しかしこれも決まらず、延長戦に突入した。

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