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日本代表 3年前

U-24日本代表が見失ったものとは? 鈍るパスワーク、三笘薫の活かし方もいまひとつ【西部の目/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

三笘薫の活かし方もいまひとつ



 延長前に相手の配置と守備対応を確認して混乱はなくなる。半面、攻撃はドリブルでこじ開けようとして引っかかるケースが続いてリズムに乗り切れない。田中碧から板倉滉に代わったことで守備の安定感は出てきたが、パスワークの流れが鈍る。

 104分にはニュージーランドが左サイドのクロスから決定機をつかむが、フリーで受けたエライジャ・ジャストが足を滑らせて事なきを得た。上田、久保建英、堂安、板倉、冨安がシュートを放つがGKマイケル・ウードの攻守もあって入らない。0-0でドローとなり、PK戦で準決勝に進むことができた。

 U-24日本代表の攻撃は時間の経過とともに個での勝負が多くなり、それも相手の守備の固さもあってそれほど効果がなかった。延長から三笘薫を投入したが、三笘の活かし方もいまひとつ。とりあえずボールを渡すという以上のものは見えなかった。

 準決勝で対戦するスペインはニュージーランドとは全く違うタイプで、U-24日本代表と似ているが力量は1枚上手だ。我慢を強いられる展開になりそうである。一方で、カウンターアタックのチャンスもあるはずで、そのほうが個の力は発揮しやすい。ニュージーランド戦のように守備のスイッチを入れる場所を見失うと一方的に押し込まれる。ただ、U-24日本代表に対してニュージーランドが引き分けたように、U-24日本代表にもチャンスはあるはずだ。

(文:西部謙司)

【了】

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