U-24日本代表は3日、東京五輪(東京オリンピック)男子サッカー・準決勝でU-24スペイン代表と対戦。試合は0-0のまま延長戦に突入したが、延長後半に失点を喫し、初の決勝進出という希望を絶たれた。U-24日本代表は最後まで食い下がったが、勝負を分けた両者の差は決して小さくなかった。(文:西部謙司)
顕著に出ていた「差」を埋められず
勝てない相手ではないが力は1枚上。これがU-24日本代表から見たU-24スペイン代表だと思う。結果もそのとおりになったが、U-24日本代表が死力を尽くしてあと一歩のところまで追いつめた感動的なゲームだった。
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両者の差は、スペインのほうがよりロジカルにプレーできるところだ。何が正解かわかっていてプレーしているので、パスワークでのミスが非常に少ない。この場面はこれで正解というプレーを淡々と続けているので、ある意味とても淡泊にみえる。U-24日本代表はときどき100点以上のプレーをしようとして、けっこうな割合で失敗する。序盤はその差が顕著に出ていて、ゲーム全体でもそこは埋まっていない。育成段階での論理性の差がこの舞台で出てしまうのだから恐いものだ。
U-24日本代表は左CBのパウ・トーレスにボールを持たせる守備プランに見えたが、エリック・ガルシアとどちらがマシかという程度の違いでそれほどミスを誘発できない。それでも粘り強く守り、強化試合のときよりもボールに寄せる場面も作れていた。
34分の久保建英のシュートから敵陣に押し込む時間帯も作れていた。ハイプレスで封じて反撃を許さない流れにも持っていけている。ただ、それも長くは続かない。カウンターアタックになってもフィニッシュまではいけないまま前半終了。形勢はボールポゼッションの42%対58%そのままという印象である。